次の出会いはない
先日の飛島旅行。
往路は、どうしても要宿泊。
だから、各駅停車のチンタラ旅程。
以下は、
弘前始発 秋田終着、2時間35分
に乗車中のときのこと。
車内はロングシート。
60リッターのザックを股で挟んで座り、私は向こう側の車窓、奥羽本線西側の景色を追っていた。
と、向かいのロングシート、私の視線の やや右に座っていた女性が、鷹ノ巣駅で停車した時に私のすぐ右に座り直してきた。
で、彼女が言うには、
「あなたの靴、わたしと同じ。
わたし、同じのを2足使いました。
底を貼り直すほど使いました。
槍も穂高も。
富士山は2回。
6月で82歳。
ヒザがもちません。
もう高い山には登れません。
でも、今日もあちこち歩いてきました。」
〝あなたの靴〟というのは、私の履いていたハイカット(ハイバック)の登山靴のこと。
私は、その上から3つのフックから靴ひも外し、街歩き対応の履き方をしていた。
オールレザーの靴だから、化成品製の現代的な登山靴の2倍の重さがある。
田部井淳子が、この靴にオーバーシューズをかぶせて歩き、エベレストの頂上を踏んでいる。
「あそこ、男鹿半島。
寒風山(かんぷうざん)、355メートル。
あそこからは、電波がよく飛ぶの。」
彼女、アマチュア無線家でもあるようで、コールサインはJJ7何とかかんとか。
「秋田駅で乗り継ぎね。
酒田行き発車まで時間ありそう。
美味しい お蕎麦屋さんがあります。」
秋田駅から蕎麦屋までのルート案内が やはり登山家。
簡潔。
「わたし、追分で降ります」
JRには〝追分〟駅が4つある。
室蘭本線と石勝線の分岐の追分駅
大糸(おおいと)線の安曇(あずみ)追分駅
姫新(きしん)線の美作(みまさか)追分駅
そして、奥羽本線と男鹿線の分岐の秋田市の追分駅は、終着駅秋田の4つ手前。
「追分。
分かれ道のこと。
お別れね、お気をつけて。」
私、
「どこかの山の上で お会いしましょう。」
とは言ったが、次の出会いはない。
復路の特急北斗にて。
間もなく、東室蘭。




























その記事に きーさんから いただいたコメントに、
この秋は、ブナの実の大凶作が予想されます。
森の動物たちは困るでしょうねェ。
とリプライした。