『サケマス物語』を読む
道民の生活向上
道内の産業振興
を目的に、組織内に、農業・水産など、6つの研究本部が立ち上げられている。
この春、栽培水産試験場が室蘭水族館で出張展示会を行ったので、私もタコやホタテの幼生を観察させてもらった。
道総研に所属する人材は優秀。
去年の秋、北海道に戻ってきたサケは〝記録的不漁〟との修飾語付きの686万匹。
先週、道総研水産研究本部が公開したのは、今年の秋に北海道に戻るサケは〝記録的不漁〟だった去年の さらに半分、365万匹と予測したもの。
回帰したサケの過去最大数は、2004年の6000万匹。
だから、昨年の回帰数の686万匹でさえ6000万匹の11パーセント。
今年の予測回帰数の365匹は、ピーク時の6パーセントに過ぎない。

こんな喫茶店で読み始め。
副題の
『魚の放流を問いなおす』
とあるように、著者は、
・人工ふ化放流河川におけるサケ野生魚の割合推定
・サケふ化事業の陰で生き長らえてきた野生魚の存在とその保全
などを魚類学会誌や水産学会誌で発表している魚類生態学者。
サケ・マスの専門家。
本書によれば、
人工ふ化放流数が増えると、回帰サケに人工ふ化放流サケが増える。
このことは当たり前のようだが、このとき自然ふ化して降海したサケの回帰数は減る。
自然ふ化して降海したサケの回帰数は、本来戻ってきていいはずの匹数より大きく減ることが分かっている。
人工ふ化放流数が減ると、自然ふ化して降海したサケの回帰数が増える。
両方が同時に増えることはなく、一方が増えればもう一方が減る関係にあるのが人工ふ化と自然ふ化の関係。
以上より、本著者は、内外のデータ、及び自身の調査・研究結果を根拠に、サケの人工ふ化放流事業に否定的。
本夕、読了。
北海道に回帰するサケの減少理由の、道総研水産研究本部の先週の見解は、
海流の変化
海水温の上昇
によってサケ稚魚のエサが減少していることなど。
我々 釣師がよく言う、
「海の様子が変わった」
と同義。
で、今後の資源確保のために必要なことの道総研水産研究本部の考えは、人工ふ化放流事業の充実。
そのために漁業者に望むのは いっそうの卵の確保。
本書の主張とは正反対。
どちらの主張も、ロジックに乱れはない(ように見える)。








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