『人はなぜ「美しい」がわかるのか』を読む
春は あけぼの
やうやうしろくなりゆく山ぎは すこし明かりて
紫だちたる雲の細くたなびきたる
夏は夜
月のころはさらなり
闇も なほ 蛍の多く飛びちがひたる
を、
春って曙よ!
だんだん白くなってく山の上の空が少し明るくなって
紫っぽい雲が細くたなびいてんの!
夏は夜よね。
月の夜はモチロン!
闇夜もねェ・・・ 蛍が一杯飛びかってるの。
と、現代語(桃尻語:ももじりご)訳した橋本治(1948−2019)が本著者。
第1刷は2002年だが、増刷を重ね、私が手にしたのは この秋発行の第16刷。
こんな喫茶店で読み始め。
枕草子を桃尻語訳した三巻本を出版したくらいだから、著者は清少納言の〝美〟意識にぞっこん。
対して、吉田兼好が『徒然草』で見せる〝美〟には大いに不満を示す。
でも、私ごときが言うのもなんだが、『枕草子』と『徒然草』の間には350年の隔たりがある。
『枕草子』を読んで『徒然草』をああこう言うなんて、十返舎 一九の『東海道中膝栗毛』を読んで夏目漱石の『吾輩は猫である』をああこう言うようなもの(だと思う)。
再び、でも
でも、このヒト、アタマがいい。
〝ああこう〟のロジックは完璧。
本夕、読了。
人の脳が〝美〟を認識する生理・心理学的仕組みの話なら面白そうだが、そんな話はない。
〝美醜〟・〝好き嫌い〟を、著者の ごくごく個人的な感覚で書いている本。
そんな他人の〝美〟意識を読まされてもなァ
と感じる私の意識は低い(^^);
コメント
おはようございます。
他人の美意識とおっしゃいますが、世の中は全て他人。自分と美意識が一致するかごく近い人なら「そうそう!そうよね〜」と共感もできますね。
貴殿の意識が低いというのは間違いかな?と思いました。
美意識の違い、と言うべきでしょうか。
投稿: めりー | 2024年12月12日 (木) 08:23
めりーさん、こんにちは
高いか低いかを言えば、私は低いです。
というか、基準というものが全然ありません。
〝美しい〟のみならず〝美味い〟などもそうです。
そろそろどころか、とっくに自分の基準を持たなければならない年齢なのに。
私、バカです(^^;
投稿: KON-chan | 2024年12月12日 (木) 17:57