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2024年12月

2024年12月31日 (火)

まァ、でも いいンだ

実際のページには、
 新奇・単調・空虚・無条件・瞬間・時間量・消失・飛翔・貧弱
なんて単語が高密度で散らばっているのだが、トーマス・マンの『魔の山』の初めのほうには、
 繰り返しや無感動は退屈で時間を長く感じさせる。
 しかし、それが長い時間続くと、その経過は短く感じる。
 反対に、感動があり興味があることは時間を短く感じさせる。
 でも それが長い時間続くと、時間を長く感じる。
てなことが書かれている。
以上は かなり怪しい私の理解だが、
 好きなことをやっている時間は充実している
てなことを書いているンだろうという程度で納得している自分に、不満はない。

まァ、でも いいンだ。

私は知っている、
 ただ過ごす
 ただただ過ごす
 ただただただ過ごす
時間の贅沢さを。

『魔の山』は、面倒臭い言い回しの連続の上下2巻本。
読むには長い正月休みが ふさわしい。

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こんな空の下で魚信を待った日があった。
が、不釣(^^;

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こんな空の下で魚信を待った日があった。
が、不釣(^^;

いずれも、心満たされる贅沢なひとときだった(^^)

良いお年を。

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2024年12月29日 (日)

『YS11 世界を翔(か)けた日本の翼』を読む

’03年に開発をスタート、’13年に初号機を納入する工程で進められていた M R J(三菱リージョナルジェット:三菱スペースジェット)は、昨年の’23年に 開発を断念した。
その開発断念の発表の直後、M R J開発組織のトップは、
 「飛行機を飛ばすことは簡単なんです」
と言った。
それは、ウヌボレでも負け惜しみでもないだろう。
ただし、
 「飛行機を飛ばすことだけなら簡単なんです」
と言わねばならない。

飛行機を飛ばすことは簡単でも、FAA(Federal Aviation Administration:アメリカ連邦航空局) の型式証明を得ることは難しい。

飛行機を飛ばすことは簡単でも、それをビジネスとして成り立たせることは難しい。

Ys11
こんな喫茶店で読み始め。

敗戦の1945年からサンフランシスコ講和条約締結の1952年までの7年間、日本は航空機の製造どころか、流体(気体)力学の教育さえも禁止された。
1957年に開発を始めたYS11の設計の ほとんど全てが戦前・戦中の航空機技術者の頭によってなされた。
量産1号機のロールアウトが、1967年。
量産180機目は1974年。
それがYS11の最終機となった。
なぜ、それで終わったのか。
ビジネスが成立しなかったから・・・
YS11の販売・アフターサービスの赤字額の推移は以下。
 1970年  80億円
 1971年 145億円
 1973年 360億円
今年度の日本の一般会計は、112兆6千億。
1973年は、60分の1、1兆8千億だった。

本夕、読了。

YS11の製造は、株式会社の形を取った日本航空機製造による。
戦前・戦中に、無茶振り・無理難題・訳のわからない要求を押し付けられたことにコリたのだろう。
日本航空機製造幹部には、旧軍人や役人を登用しなかったという。

しかし、結局、赤字で会社を潰したのは冷静さ客観さを失った技術者集団だった。

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2024年12月22日 (日)

『怪しい噂 ぜんぶ体張って調べた』を読む

〝怪しいなァ〟と感じるモノごとのウラ・実態をさぐった話。

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こんな喫茶店で読み始め。

〝昏睡強盗〟
意識を失っている間に、金品を盗み取る。
女の子をラブホテルに連れ込んだスケベオヤジが、コレに引っ掛かる話を聞く。

雑誌の編集者が『体張って調べた』のが、〝昏睡ぼったくりバー〟
JR上野駅近く、〝昏睡〟バーのキャッチがいると噂の地へ・・・

の、前に、キャッシュカードを利用停止に、財布には6千円だけ。

で、見事に引っ掛かり、目が覚めたのはバーのソファの上。
 「オニイさん、あとでお金おろすと言った」
 「オニイさん、女の子のオッパイ触った」
てことで、女の子に上着のソデを握られて、コンビニのATMへ。

本夕、読了。

ギャンブル必勝法のマーチンゲール法。
負けたら次の賭け金を倍にして賭け続ける。

以下、本書から。
競馬で1番人気の馬が来る確率は およそ30パーセント。
オッズ(払い戻し倍率)2倍以上の1番人気の単勝馬券だけをマーチンゲール法に従って機械的に買う。

100円でスタート、
100円・200円・400円と賭けて、
3レース目でアタリ。
投資700円で、960円の払戻。

500円でスタート、9レース目でアタリ。
投資255,500円で、358,400円の払戻。

5,000円でスタート、6レース目でアタリ。
投資315,000円で、512,000円の払戻。

10,000円でスタート、3レース目でアタリ。
投資70,000円で、184,000円の払戻。

合計414,160円のプラス。

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2024年12月15日 (日)

『潜入ルポ 経験学歴不問の職場で働いてみた』を読む

現役就業者からのルポが20ほどと、一人の若手雑誌編集者の〝潜入ルポ〟が10ほど。

経験学歴不問の仕事だから 今日言われて明日から、どころか、今日言われて今日からできる仕事ばかり。
〝小3の学力があればでき あまりに暇な〟と表現される仕事もあるように、単純作業。
が、筋肉を使い、夏暑く、冬寒い仕事が多くルポされる。

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こんな喫茶店で読み始め。

現在、あるいは過去に、
 国家・国民を考える
 創造性・独創性で評価される
 長い修行期間を経て得た技が必要
 免許・免状を必要とする
ような仕事に就ている、就ていたヒトでも、どこかで本書に書かれている仕事のヒトたちのお世話になっているはず。

本夕、読了。

採用条件が、
 130キロ以上の体重があること
なんていう仕事がある。
それ以外の本書内の仕事なら どれも勤続できる自信が私にはある(^^)

「きつい」・「汚い」・「危険」の3K
「帰宅できない」・「厳しい」・「給料安い」の新3K
の仕事は敬遠される。
が、
 国家・国民を考える
 創造性・独創性で評価される
 長い修行期間を経て得た技が必要
 免許・免状を必要とする
仕事には、「きつい」・「帰宅できない」・「厳しい」くらいは付いて回る〝K〟だろう。

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2024年12月 8日 (日)

『人はなぜ「美しい」がわかるのか』を読む

 春は あけぼの
 やうやうしろくなりゆく山ぎは すこし明かりて
 紫だちたる雲の細くたなびきたる
 夏は夜
 月のころはさらなり
 闇も なほ 蛍の多く飛びちがひたる

を、
 春って曙よ!
 だんだん白くなってく山の上の空が少し明るくなって
 紫っぽい雲が細くたなびいてんの!
 夏は夜よね。
 月の夜はモチロン!
 闇夜もねェ・・・ 蛍が一杯飛びかってるの。
と、現代語(桃尻語:ももじりご)訳した橋本治(1948−2019)が本著者。

第1刷は2002年だが、増刷を重ね、私が手にしたのは この秋発行の第16刷。

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こんな喫茶店で読み始め。

枕草子を桃尻語訳した三巻本を出版したくらいだから、著者は清少納言の〝美〟意識にぞっこん。
対して、吉田兼好が『徒然草』で見せる〝美〟には大いに不満を示す。

でも、私ごときが言うのもなんだが、『枕草子』と『徒然草』の間には350年の隔たりがある。
『枕草子』を読んで『徒然草』をああこう言うなんて、十返舎 一九の『東海道中膝栗毛』を読んで夏目漱石の『吾輩は猫である』をああこう言うようなもの(だと思う)。

再び、でも
でも、このヒト、アタマがいい。
〝ああこう〟のロジックは完璧。

本夕、読了。

人の脳が〝美〟を認識する生理・心理学的仕組みの話なら面白そうだが、そんな話はない。
〝美醜〟・〝好き嫌い〟を、著者の ごくごく個人的な感覚で書いている本。

そんな他人の〝美〟意識を読まされてもなァ
と感じる私の意識は低い(^^);

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2024年12月 7日 (土)

絵鞆マリン倶楽部 総会・納会

昨夜は、絵鞆マリン倶楽部の総会と その後に納会。
【総会】
 ・行事
 ・決算・ 予算
 ・倶楽部ハウスのオーナーが変わったことに関係する会則改定
 ・ダービー魚の選定は役員会で考える 
ことが、異議なく承認された。

また、I 前相談役のご様子が好調であると聞けたのが何より。

【納会】
'20年・'21年・'22年と開催できなかった納会は
、昨年'23年になって集合しての開催、今年は従前通り宿泊して開催できた。
温泉に浸かって、浴衣・ハンテンで納会の席へ。
いやァ、ユカイ、ユカイ(^^)

例によって、大モノを掛けた証のダービー入賞者にはなれず。
が、良ウンなのか悪ウンなのか、
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ビンゴには一番でアタリ(^^)

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一次会お開き前の集合写真。
新会員の龍王II世船長の右後ろで、NORTH WAVE船長が操作する最新カメラのレンズに向かう。

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2024年12月 1日 (日)

『東洋医学はなぜ効くのか』を読む

中国の医学の歴史は、3千年以上もさかのぼることができる。
それが、
 中国では 中医学
 韓国では 韓医学
 日本では 漢方医学
として それぞれ発展し今に至る。

本書で書かれている東洋医学とは、日本の漢方医学のこと。

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こんな飯屋で読み始め。

副題は、
『ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』

この、
 西洋医学で見る
というのがキモ。

松尾芭蕉の、
 月日は百代の過客にして、行かふ年も又 旅人也
で始まる『奥の細道』には、
 もゝ引の破をつゞり笠の緒 付かえて、
 三里に灸するより松嶋の月・・・

と、三里のツボへ灸を施すことで、長旅の疲れをいやし 筋肉の炎症を予防することが書かれている。

本夕、読了。

灸をする三里とは、ツボの足三里(あしさんり:ひざのサラの下の くぼんだところ)のこと。

以下、本書の西洋医学の言葉での説明を抜き書きすると、
 このツボへの刺激は、
 坐骨神経・脊髄・脳幹を経て、
 遠心性迷走神経を興奮させ
 副腎髄質を活性化させる。
 それによってドーパミンが分泌。
 血液を介しマクロファージの活動が抑制され、
 よってもって、炎症性サイトカインの産生が
 減少する。

拙ブログの記事、
 『くすりの発明・発見史』を読む
で話題にした2015年のノーベル生理学・医学賞受賞者の
 屠 呦呦(Tu Youyou 1930年- 
は、中医(薬)学者。

西洋医学で見ると、東洋医学の驚きのメカニズム が浮かんでくる。

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