『天文学者たちの江戸時代』を読む
今月から、NHKで放送されている
『アニメ チ。 ー地球の運動についてー』
は、15世紀のヨーロッパを舞台とするアニメ。
当時のヨーロッパを支配していたのは天動説。
日本においても同じで、平安京に遷都後まもなく採用され、その後800年以上使われたのが中国伝来のカレンダーの宣明暦(せんみょうれき)。
この宣明暦は、17世紀末、貞享暦(じょうきょうれき)に改暦される。(注)
貞享暦を作ったのが、江戸時代の天文学者らで、この頃になって、日本のインテリは地動説を理解した。
こんな喫茶店で読み始め。
書名は、
『天文学者たちの江戸時代』
だが、書かれているのは、
江戸時代の天文学者たち
のこと。
ウソかホントか。
紀元前、それも紀元前500年よりも前、古代ギリシャでは日食を予測していたとか。
今の高校生は、17世紀までの数学の成果を学ぶ。
物理だと、20世紀の初め頃までの成果を学ぶ。
その知識を使えるヒトは、何百万人もいよう。
でも、そのヒトの中に、この1000年間の日食・月食のデータが与えられたとしても、次の日食や月食を予測できるヒトが いったい どれほどいようか。
江戸の天文学者らは、日食・月食を予測した。
本夕、読了。
'18年9月6日、3時07分に発生した胆振東部地震は、まもなく北海道全域をブラックアウトさせた。
その時の当地は、雲のない晴夜だった。
東の空低くには、月齢26の痩せた下弦の月。
東南の空には、昇りゆくオリオン。
西北の空には、沈みゆく白鳥。
人工光のない夜の何と星の明るいことよ。
(注)
貞享暦を作ったのは、渋川 春海(しぶかわ はるみ)。
'12年の角川映画の『天地明察』は、その渋川 春海を描いたもの。
演じたのは岡田准一。
私が見た時は封切りから1週間ほど過ぎていたということもあるが、映画館の席に座っていたのは20人もいなかった(^^;
コメント
こんにちわ。
私が星を見に行くようになったのはつい最近の話しで、残念ながらブラックアウトの当日は札幌の真ん中から天の川を見上げることをしませんでした。
その後、星がよく見えるような、人工光の無い暗い空を探して星を眺めに行くようになりました。貴殿のおっしゃるとおり、星明かりのなんと明るいことでしょう。
月の無い時であっても、星の明かりだけで夜の闇がほんとうに明るくなるのです。
暗闇というのは本能的な恐怖を抱かせるものですが、星明かりの下ではその恐怖を忘れる夜もあります。
江戸の人々は、月夜だけではなく、星の夜の明るさも知っていたに違いありませんね。
投稿: めりー | 2024年10月28日 (月) 16:07
めりーさん、こんにちは
本書の巻末は、渡部潤一による解説。
その彼が、満月を超える光度になり、昼でも肉眼で見えるると予測されたアイソン彗星についてふれています。
'13年のことです。
が、この予測は外れ、近日点に近づいたところで彗星が消滅。
そのことを、NHKにコメントを求められた彼は、
「宇宙の現象の予測は難しいと知ってもらういい機会になった」
と言っています。
晴れて乾いた空気の高い山の星も明るいですね。
音が聞こえそう・・・
投稿: KON-chan | 2024年10月28日 (月) 21:23