『残酷な進化論』を読む
昨年度の、
「科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)」
を受賞したのは、YouTuberのヨビノリたくみ。
彼が配信した番組の中には、カッコいい理系用語とダサい理系用語といった息抜きモノもある。
カッコいい用語の、
1位は 赤の女王仮説
2位は 生成消滅演算子
3位は 宇宙際タイヒミュラー理論
ダサい用語の、
1位は 箱ひげ図
2位は ベン図
3位は 井戸型ポテンシャル
ちなみに、箱ひげ図はExcelの統計グラフ内にテンプレートが用意されているし、ベン図は円の組み合わせ。
当然、Excelで描画できる。
こんな喫茶店で読み始め。
このダサい用語の1位から3位までを決定する過程では、〝おばあちゃん細胞仮説(grandmother cell hypothesis)〟も候補にあげられていた。
〝おばあちゃん細胞仮説〟とは全然違う概念なのだが、本書には〝おばあさん仮説(grandmother hypothesis)〟が紹介されている。
チンパンジーの兄弟姉妹には年子がいない。
なぜなら、チンパンジーの授乳期間は4~5年と長く、それゆえ出産間隔も5~7年と長いから。
同じ理由で、ゴリラの出産間隔は4年。
オランウータンは7~9年。
ところが、ヒトは授乳期間が2~3年と短いだけではなく、授乳期間中にも次の子を産める。
父親・祖父母に限らず、血縁関係にない者さえも子育てに協力する生物的・社会的進化が あるからだろうと、本書の説明。
本夕、読了。
霊長類のメスは閉経しないで死ぬまで子を産む。
ヒトだけが閉経し、その後も長く生きる。
ヒトが共同で子育てしてきたことで得た進化の形質で、これを〝おばあさん仮説〟と言うそうな。
〝仮説〟だから、真偽不明。
本書では、ヒトは一夫一妻に向かう進化傾向がありそうだ と書く。
しかし、〝おじさん仮説〟・〝おじいさん仮説〟が成立する多夫一妻に進んでもいいような気がする。
また、ヒトは かなり頻繁に浮気をするので一夫一妻に向いていない、という意見があるようだ。
父親が持つ遺伝子による子の遺伝性疾患の調査では、父子関係に客観性の高いデータが得られる。
上記調査によって、父子として暮らしてきたが、実はアカの他人の関係なのだと判定されるのは1~4パーセント。
浮気で子ができるのが、1~4パーセント。
火遊び浮気なら、私の根拠レスのエイヤーっ見積もりで、この20倍、20~80パーセントはあるのでは。
ヒトは一夫一妻に向いていない、という意見に私は首を縦にふる(^^;
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