『くすりの発明・発見史』を読む
ツムラの漢方内服薬は、
1番の葛根湯(かっこんとう)
から、欠番なしで、
138番の桔梗湯(ききょうとう)
まで。
このうち、
68番の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
は、足がツった時に効く。
漢方薬は、その薬効がジワジワ・ユックリのイメージがあるが、68番の芍薬甘草湯は即効薬。
ツったフクラハギが元に戻るまでの時間は、服用してから30秒(実体験)。
さすがは、中国四千年。
こんな喫茶店で読み始め。
熱帯病のひとつのマラリア。
その病原体は、マラリア原虫(ヒトの赤血球中に寄生 アンパン形状 直径5ミクロンメートル)で、蚊が媒介する。
マラリアに感染する者は、年に2.5億人。
死亡する者は、年に60万人。
マラリアの特効薬に、キニーネがあるのだが・・・
本夕、読了。
映画『インディ・ジョーンズ』は、考古学者のインディが古文書を読み解くことから物語が始まる。
文化大革命中の1967年、毛沢東が立ち上げたのは、マラリア薬の開発プロジェクト。
中国全土から集められた科学者が まず やったのは、インディと同じ。古文書の調査から。
で、紀元前2世紀に、マラリア患者に青蒿(せいこう:ヨモギ属の植物 和名はクソニンジン)が使われていたことを知る。
さすがは、中国四千年。
2015年のノーベル生理学・医学賞受賞者は、
William C. Campbell
大村 智
屠 呦呦(Tu Youyou)
の3人。
屠 呦呦(1930年- )こそが、文化大革命の さなか、中国全土から集められた科学者のひとり。
そして、屠 呦呦へのノーベル賞授賞理由が、
〝マラリアに対する新たな治療法に関する発見〟
彼女の業績は、青蒿から2種の薬効成分の分離・精製に成功したこと。
ひとつは、マラリア原虫の殺虫薬剤(注)
もうひとつは、薬剤耐性マラリアや重症マラリアの基盤薬剤
(注)
本書での説明は ほんの数行なのだが、マラリア原虫が分離させたヘモグロビン中の鉄原子に作用する成分を発見している。
この殺虫原理はたいへんに興味深い。
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