『山嶽地帯行動ノ参考 秘』を読む
〝山嶽〟とは〝山岳〟のこと。
本書は、帝国陸軍教育総監部本部長名で各部隊に配布された原本をスキャンして復刻したもの。
原本配布は、帝国敗戦の20ヶ月前の1944(昭和19)年1月。
信州の松代町(現:長野市の一部)へ大本営及び政府機能を移す計画が持ち上がる頃。
こんな喫茶店で読み始め。
実際に山岳地帯に部隊を展開してデータを採取、それをもとに本書がまとめ上げられている。
データ採取は、中央アルプス最高峰の木曽駒ケ岳(2956メートル)山域や富士山において。
現在の日本人男性の体重はもう少しあると思うが、本書では兵士の平均体重を60キロとしている。
で、かつぐ重量が43から49キロ。
本書に掲載のデータから、
水平に1000メートル進んで、上がる高度が100メートル
傾斜6°弱の時、
行軍速度は時速2.7キロ
なお、30分ごとに5分間の休憩
水平に1000メートル進んで、上がる高度が500メートル
傾斜27°弱の時、
行軍速度は時速0.37キロ
なお、15分ごとに5分間の休憩
本夕、読了。
上記は、体力・気力ともに優秀な者の数字と本書の記載。
また、山地では地図に記せない道の屈曲が多く、図上距離の倍になることを考慮しなければならないことが書かれている。
11時間歩いた後の備考に、
部隊ハ 体力的二 戦闘ノ 余力ヲ 十分保持シアリ
とある。
私のテントを担いでの、1泊2日の縦走時で、背中のザック重量は16キロから18キロ。
11時間なんて歩かないが、全力を使い切る。
テント設営後は余力なし。
私は兵士になれない(^^;
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