『人生を肯定するもの、それが音楽』を読む
多摩美大出身のミュージシャンに、
彫刻を専攻した 小室 等
日本画を専攻した 松任谷 由実
がいる。
天から二物を与えられたヒト。
フォークダンス曲のオブラディ・オブラダ。
フォークダンス曲だが、〝オブラディ・オブラダ〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。
オブラディ・オブラダよりも もっともっとスタンダードフォークダンス曲のマイム・マイム。
この〝マイム・マイム〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。
音楽に定義づけが必要だとは思わないが、〝歌〟がなくては〝フォーク〟にならない。
あえて言えば、〝フォーク〟とは、本書著者が歌うような曲。
本書著者は、天から二物を与えられたヒトの一人である小室 等。
こんな飯屋で読み始め。
本書名は、著者が作曲家の武満 徹(たけみつ とおる)に言われた(注)
・人生そのものを否定していては、
歌は出てこない
・人生を積極的に肯定する情熱が
ない限り、歌は生まれない
に由来している。
音楽とは、かくも大上段に振りかぶって語らねばならないものらしい・・・
本夕、読了。
音楽性に大きな違いがある著者と武満 徹との出会いは、武満が小室のコンサートを聴き、それを批判的に新聞のコラムに書いたことがスタート。
ではあるが、じき、小室は武満の、武満は小室の音楽を理解し合い、2人は友情で結ばれる。
小室が武満のコンサートに連れ出した井上陽水は、武満音楽を理解しなかったことが書かれている。
(注)
武満 徹は、黛 敏郎(まゆずみ としろう)と同世代人。
二人とも、日本を代表する現代音楽の作曲家と言われる。
が、この二人の曲の1曲だけでも頭から最後まで聴き通したことがあるヒトは滅多にいない。
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