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2024年4月

2024年4月29日 (月)

『世界思想 2024年春号』を読む

出版社のPR誌。
 新潮社 なら、『波』
 岩波書店なら、『図書』
 筑摩書房なら、『ちくま』
等々。
ほとんどは無料。
値が付いていても、せいぜい100円と安いが、出版社の顔。
いずれも質が高い。

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こんな飯屋で読み始め。

世界思想社なら、『世界思想』
2024年春号は、〝スポーツ〟を特集している。

全88ページ。
その内の16ページを使って、自社出版物の『居場所のなさを旅しよう』とか『ローカルボクサーと貧困世界』などが紹介されている。
残りの72ページに、14人のライターによる14本の論考文。

元陸上短距離五輪選手や元ラグビー日本代表が競技者の立場から書く論考。
スポーツを報道する立場から書く論考。
競技者を支えるマネージャーの立場から書く論考。
競技者を指導する立場から書く論考。
 ・・・・・・・・・

〝スポーツとは何か〟が
スポーツに絡めて〝多様性と社会〟が
〝現場から考える〟スポーツが
72ページで読める。

本夕、読了。

ヒトのまばたき回数は、1分間に10回。
多いヒトは30回。

スキーの回転、滑走時間は1分ほど。
大回転になると、2分ほど。
競技者は、その間、一度もまばたきをしないらしい。

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2024年4月21日 (日)

『孤独まんが』を読む

18人のマンガ家が描いた18本のマンガが、
 落伍
 無用
 風狂
 隠遁
 エピローグ
の5つに章立てされて編まれた本。
初出の早いモノは1967年、新しいモノは一昨年。
水木しげる とか かわぐちかいじ といった有名マンガ家の作品もあるが、篝ジュン(かがり じゅん)とか カシワイといったマイナーマンガ家の作品も。

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こんな喫茶店で読み始め。

〝孤独〟とあるが、〝結末〟あるいは〝日常〟と改題しても通じると思う。
〝雑踏〟でも〝希望〟でも。

 孤独を感じさせるストーリーがある
 描き手自身の孤独を感じさせるマンガがある
 救われる結末もあるが、救いのない結末もある
 結末 それ自体が見えないマンガも

本夕、読了。

〝落伍〟の章にある作品のひとつの『黒い蝶』。
作者の ハン角斉は、幕別町の整骨院長。
マンガ家デビューは一昨年、68歳で。
年のいった新人だが、絵もストーリーも新人らしい。

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2024年4月20日 (土)

『奇妙な四字熟語』を読む

大相撲。
横綱に推挙された力士のもとへ、日本相撲協会の理事と審判部長の二人がその昇進を伝達しに訪れる。
親方と おかみさんに はさまれた紋付きはかまの その力士は、
 「謹んでお受けします」
続けて、
 「横綱の名に恥じないよう、稽古に精進し相撲道に邁進します。
  本日は まことにありがとうございます」
てな、口上を述べる。
この時、第65代横綱の貴乃花光司は、
 「横綱の名を汚さぬよう、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で
  相撲道に不惜身命(ふしゃくしんみょう)を貫きます」
と、口上を述べた。
彼は大関昇進時にも、不撓不屈 を使っていたが、横綱昇進時に付け加えた この 不惜身命 は知るヒトの少ない四字熟語だったので、当時 話題になった。

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こんな喫茶店で読み始め。

書名は『奇妙な四字熟語』だが、二字熟語、五字熟語、どころか十二字熟語まで。

〝丿〟は〝へつ〟と読む。
〝乀〟は〝ふつ〟と読む。
二字熟語の〝丿乀〟で、〝へつふつ〟。
意味は、〝舟などが揺れ動くさま〟

十二字熟語の〝子子子子子子子子子子子子〟。
〝猫の子の子猫 獅子の子の子獅子(ねこのここねこししのここじし)〟と読む。
〝猫の子は子猫であり獅子の子は子獅子だということ〟
出典は『宇治拾遺物語』。

本夕、読了。

本著者の著作を以前にも読んだことがある。
『世界奇食大全』がそれで、拙ブログに、
 大雪山中で、『世界奇食大全』を読む
として、記事にしている。
この人の知識の守備範囲は大変に広い。

本書内に いくつか描かれている五月女 ケイ子のイラストがいい。

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2024年4月14日 (日)

『For the Future:Our Global Partnership』を読む

読んだのは、日本時間の12日早朝、米国上下両院合同会議で岸田首相が行った演説文。
演説は英語で行われたが、日本政府が翻訳を付けて その全文をマスコミに流している。
ンで、翻訳をチラチラながめながら(^^;

英文・和文あわせて、新聞見開き2ページにちょうどおさまる量。
これを岸田さんは、10回以上のスタンディング・オベーションを含め、50回ほどの拍手を受けながら、30分強の時間をかけて演説している。

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我が家の居間で読み始め。

演題の
 For the Future:Our Global Partnership
に、日本政府が付けた和訳は、
 未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~

演説の構成は、
 Introduction:はじめに
 The leadership of the United States:米国のリーダーシップ
 New Challenges:新たな挑戦
 Global Partners:グローバル・パートナー
 Conclusion:結語
の5章。

首相スピーチだから、たたき台文章を何人もの優秀な役人が寄ってたかって、練って・練って・練って、推敲を重ね・重ね・重ねしたのだろう。
よってもって演説原稿の、
 構文は義務教育範囲内
 単語も平易
 内容も ごく常識的

本夕、読了。

 ‥‥, as the United States’ closest friend, tomodachi,
 the people of Japan are with you, side by side, to
 assure the survival of liberty.
 米国の最も親しい友人、トモダチとして、日本国民は、
 自由の存続を確かなものにするために米国と共にあります。
という文章がある。

このスピーチで、 tomodachi が friend のことだと米国議員にストレートに伝わるのだろう。
米国軍は、東日本大震災の翌日から1ヶ月半にわたって、Operation Tomodachi(トモダチ作戦)を展開している。

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2024年4月13日 (土)

『人生を肯定するもの、それが音楽』を読む

多摩美大出身のミュージシャンに、
 彫刻を専攻した  小室 等
 日本画を専攻した 松任谷 由実
がいる。
天から二物を与えられたヒト。

フォークダンス曲のオブラディ・オブラダ。
フォークダンス曲だが、〝オブラディ・オブラダ〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。
オブラディ・オブラダよりも もっともっとスタンダードフォークダンス曲のマイム・マイム。
この〝マイム・マイム〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。

音楽に定義づけが必要だとは思わないが、〝歌〟がなくては〝フォーク〟にならない。
あえて言えば、〝フォーク〟とは、本書著者が歌うような曲。
本書著者は、天から二物を与えられたヒトの一人である小室 等。

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こんな飯屋で読み始め。

本書名は、著者が作曲家の武満 徹(たけみつ とおる)に言われた(注)
 ・人生そのものを否定していては、
  歌は出てこない
 ・人生を積極的に肯定する情熱が
  ない限り、歌は生まれない
に由来している。

音楽とは、かくも大上段に振りかぶって語らねばならないものらしい・・・

本夕、読了。

音楽性に大きな違いがある著者と武満 徹との出会いは、武満が小室のコンサートを聴き、それを批判的に新聞のコラムに書いたことがスタート。
ではあるが、じき、小室は武満の、武満は小室の音楽を理解し合い、2人は友情で結ばれる。
小室が武満のコンサートに連れ出した井上陽水は、武満音楽を理解しなかったことが書かれている。

(注)
武満 徹は、黛 敏郎(まゆずみ としろう)と同世代人。
二人とも、日本を代表する現代音楽の作曲家と言われる。
が、この二人の曲の1曲だけでも頭から最後まで聴き通したことがあるヒトは滅多にいない。

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2024年4月 7日 (日)

『ド・ローラ節子の和と寄り添う暮らし』を読む

20世紀の終わりを見ることなく逝ったピカソ(1881ー1973)だが、そのピカソに〝20世紀最後の巨匠〟と言わしめたのが、フランス人画家のバルテュス(1908ー2001)。
 
スイス レマン湖の東の小さな村の標高900メートルにあるグラン・シャレ(山荘)が、バルテュスの終の棲家。
山荘とはいうがスイス最大の木造建築物で、彼が住まいとする前は、部屋数50・窓数150のホテルだった。

このグラン・シャレでバルテュス と暮らし、今現在も ここに住むのはバルテュスの34年下の妻のセツコ・クロソフスカ・ド・ローラ(Setsuko Klossowska de Rola )。
彼女もまた画家。
セツコ・クロソフスカ・ド・ローラを、彼女は〝節子くろそふすかどろうら〟と署名する。
スイスでの日々を和装で過ごす日本人。

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こんなファストフード店で読み始め。

和装で花を摘み、食卓を飾る。
ジャノメの日傘で、来客を迎える。
そして、こんな色・模様の着物を着る。
 ・トルコ石色の綸子(りんず:絹織物の一種)地に黒線で
  さらりと書かれた流水
 ・岩紫紅(いわしこう:赤紫色の岩絵の具)地に浅黄群青
  (あさぎぐんじょう:青色)色の樅(もみ)の木と うす
  色の家の模様

本夕、読了。

節子が和装で過ごすのは、バルテュスの好みゆえ。
バルテュス自身も、和装を日常着としていた。


夜明け前にラクダの背に揺られて宿を出て、白足袋で降り立ったのは、朝焼けのサハラの砂の上。
深紅の紗(しゃ・うすぎぬ:絹織物の一種)に白い帯。
着物と同色の和の日傘をさして。

そして、節子は こう書く。
昇りゆく日の光は赤い衣に吸い込まれ、私の身体を火照らせて。
夢世か現世か・・・
と。

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絵鞆マリン倶楽部 安全祈願祭

新年は、正月(1月1日)から
新年度は4月1日から
中華圏の新年は、春節(旧正月:今年は2月10日)から

絵鞆の船釣り師たちの新年は、今日の安全祈願祭から。

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空は春の陽光に満ち、風は穏やか。

しかし、
 神事のあとのパワーランチも
 空高くから聞こえるヒバリのさえずりも
今日はない。

画像右手に見えているのはサクラの枝。
その花芽も、まだシッカリと固い。

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