『東京の美学』を読む
銀座4丁目交差点は、〝銀座4丁目交差点〟。
しかし、銀座5丁目交差点は、〝数寄屋橋交差点〟と呼ぶ。
いずれも、片側4車線道路と片側3車線道路が交差する。
その数寄屋橋交差点を見下ろす位置に建つのが、地上8階・地下5階建てのソニービル。
そのビルの全階を使ってソニーの全製品が展示されていて、かつ そこでは それに自由に触れることができる。
ヘッドホンを試し聴きするだけでも、半日は過ごせるビル。
このソニービルを設計したのが、芦原義信(あしはら よしのぶ)で、本書の著者。
こんな飯屋で読み始め。
本書、
第一章 日本人の空間意識
(一)日本人はなぜ靴を脱ぐのか
で、始まる。
高温多湿の気候風土のせいで、日本の住居の床は地面より一段高い。
そして靴を脱ぐ。
障子やふすまで構成される壁は 常に変化する。
〝床の建築〟である。
と、著者は書く。
対して、欧州は〝壁の建築〟である。
と、ヒネリのないストレートな論調が読みやすい。
本夕、読了。
今のApple社と同じく値引き販売なんかしなかったソニーが、いつの頃からか 量販店でオープン価格販売。
1964年竣工のソニービルは、2017年に解体された。
本著者は、ソニービルの解体を知らない。
2003年没。
享年85。
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