『文豪のすごい語彙力』を読む
本書で取り上げているのは、芥川龍之介の〝的皪(てきれき)〟から、谷崎潤一郎の〝懇親〟までの63人、63語。
海上自衛隊の行進曲は、〝軍艦マーチ(軍艦行進曲)〟。
米国海軍なら、〝錨を上げて〟。
出航用意!
そして、次に続くのは、
舫い(もやい)を解け!
この、舫いを解くことを解纜(かいらん)という。
檀一雄は、『リツ子 その愛・その死』で、
船は解纜したようだった。
丸窓が閉ざされているので皆目外は見えないが、
波の動揺がしきりと感じられてくる。
と、綴っている。
こんな飯屋で読み始め。
〝纜〟は訓では、〝ともづな〟と読む。
〝ともづな〟は、〝もやいづな〟のこと。
本夕、読了。
〝ともづな〟は〝艫綱〟とも書き、〝艫(とも)〟は船尾のこと。
なので、〝ともづな〟の辞書の説明は、〝船尾から出して船を陸につなぐ綱〟。
本書者は、
〝ともづな〟の〝とも〟は、〝ともだおれ〟、〝おともする〟の〝とも〟と同じで、〝複数〟の意。であると説明する。
船と岸は、複数の綱で固定するからだ、と。
これも一理ある。
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