『食欲の科学』を読む
日がすっかり傾いた頃、ブラブラと流し歩きの飲食店街。
焼き肉屋・天プラ屋・ウナギ屋・焼き鳥屋などの換気扇から吐き出される匂いはたまらない。
大して腹は減っていないのだが。
食っていくかァ・・・
ところで、鼻腔の後ろ、つまり口の奥のノドのほうから入ってくる匂いを感じることができる生物は ただひとつ、ヒト。
ヒトだけが、空中に ただよう匂いだけではなく、口に入った食べ物の匂いも感じることができるンだと。
こんな飯屋で読み始め。
ヒトは〝飢え〟を克服した。
で、現代人は、空腹を満たすために食う では終わらずに、ウマい・マズい・好き・嫌いを言い、時に過食・時に拒食する生物となった。
4、50年前までの〝食欲〟とは、心理学的・行動学的研究対象。
今のそれは、〝脳〟の問題。
〝脳〟が〝食欲〟を生み出し、〝空腹〟を感じさせている。
本夕、読了。
著者は、睡眠・摂食行動などの仕組みを解き明かそうとする医学者。
プロオピオメラノコルチンとかニューロペプチドYとかという用語が40も50も出てくる。
そしてそれらの物質が、どういう理屈で人体に作用しているのかを、素人に分かるようには説明してくれない。
素人に分かるように説明できるような理屈ではないのだろう。
と、いうことで、ンなところは読み飛ばし(^^;
本書、第5章の章題は「視床下部から行動へ」。
その第5章は、19世紀のフランスのロマン主義作家の言葉、
恋は空腹で生き、満腹になって死ぬ
で始まる。
大いに同感(^^;
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