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2023年10月21日 (土)

『大人もぞっとする 原典「日本昔ばなし」』を読む

昔ばなしだとか童話だとかは、勧善懲悪・因果応報・いましめ・教訓。
また、美徳は勤勉・倹約・正直・親孝行。
悪徳は嫉妬・散財・怠惰。
まァ、そうだろう。
しかし、その はなしの原典、昔ばなしの そのさらに昔ばなしは、エロだったり、残酷だったり。

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こんなパン屋のイートインカウンターで読み始め。

六部殺し(ろくぶころし)、蛇の婿入り(へびのむこいり)、俵薬師(たわらくすし)など11話。

六部とは全国を行脚してまわる修行僧。
ある六部が、貧農家夫婦のもとに一夜の宿を求める。
その六部が背負ってきた荷物の中に大金があることを知った夫婦。
妻は六部に自分の体を抱かせ、寝入らせる。
寝入った六部の首を夫がカマではねる。

殺した六部のカネで裕福になった夫婦に、子が生まれる。
その子は何年たっても話さず歩かず。
ある夜、突然 話し歩き出した子の顔が あの六部の顔に。
夫は子を殺し、妻を殺し、自身は首を吊る。

本夕、読了。

信仰による救いがなく
ヒーローも現れず
偶然によってもたらされる幸せなどなく
エンドがハッピーでなく
ヒトはあっけなく死ぬ

「日本昔ばなし」の原典に書かれているのは、現実の厳しさ(^^;

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