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2023年8月

2023年8月27日 (日)

『カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?』を読む

題名には、
 カラスはずる賢い
 ハトは頭が悪い
 サメは狂暴
 イルカは温厚
とあるが、
 カラスがずる賢い話も
 ハトは頭が悪い話も
 サメが狂暴な話も
 イルカが温厚な話も
出てこない。

ヒトはカラスを嫌い、カモメを好む。
だから、
 カラスは追い払われ
 カモメはエサをもらえる
著者は、そんなことに理不尽さを感じながら研究活動を続けている動物行動学者。
専門は鳥類。

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こんな飯屋で読み始め。

動物を見るさいに著者が我々に望むのは、〝事実に基づく、ニュートラルさ〟。
で、書かれているのは、動物の実際の行動と そのニュートラルな解釈・理解。

本夕、読了。

鳥は、前足を犠牲にして翼にした。
コウモリは、前足だけでは足りずに、後足・尾まで連なった皮膜を張って翼とした。

著者は、こう書く。
その結果は、どうなったか。
哺乳類は4300種。
内、一番多いのがネズミ目で1400種。
次が翼手目(コウモリ)で、1000種。

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2023年8月22日 (火)

『ロバのスーコと旅をする』を読む

著者は職を辞し、ロバと一緒に、
 イラン国内を  ’22/3/ 4 ~ ’22/ 4/12  800キロ
 トルコ国内を  ’22/5/18 ~ ’22/ 7/23 1200キロ
 モロッコ国内を ’22/9/ 4 ~ ’22/12/27 1500キロ
を歩く。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、
「ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけではない」
という西洋のことわざを出す。
「本質は簡単に変わるものでない」
という意味だが 実際にロバと旅した著者は、半分は正しいが、半分は間違っていると書く。

ところで、著者自身はどうか。
ロバのままで帰国するのか。
それとも、馬となって帰国するのか。

以下は、全然 別な話。

馬をひき、徒歩での4ヶ月の旅。
ドイツからスイスを経由してアルプスを越え、イタリアまで。
旅人は、Dietmar Obertとその妻Midori。(注)
馬の名はGina。

旅の終わり。
自分は馬に変わっているのか、ロバのままなのか。
ンなことはどうでもいい・・・
そんな素晴らしい旅の動画は4分11秒。



(注)
Midoriとは終日(ひねもす)船長さんの娘さん。

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2023年8月13日 (日)

『読むクラシック』を読む

私、歌うことも演奏することもダメ。
しかし、聴くのは何でも。
ポップスでも浪曲でも。
メールの着信音も、カトリックの典礼聖歌も。
英国軍楽隊のバグパイプの行進曲も、2000メートルの高所に設営したテントのフライシートを叩く雨の音も。
曹洞宗の僧の読経も、アーニスのホールでの中学生の吹奏楽曲も。

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こんな飯屋で読み始め。

話題となるのは、スメタナの『わが祖国(モルダウ)』から、メシタンの『世の終わりのための四重奏曲』まで46作品。
その46曲が流れるのは、
 ときに、焼き鳥屋
 ときに、真冬のオスロ
 ときに、勤め先の工場
 ときに、コペンハーゲンのタクシーの中
 ときに、仙台の自宅

本夕、読了。

中学校の同級生の一人がクラシックを聴く男。
何度か彼の部屋に上がってレコードを聴かせてもらったことがある。
が、そこはそれ、私のこと。
レコードを聴くことよりも、彼の持つ音楽のウンチク話を聞くのが面白かった。

本書の読み進めは、
 耳は、youtubeで音源を拾いながら
 目は、中学の同級生から話を聞くノリで

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2023年8月 6日 (日)

『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』を読む

本書の著者は、ドイツ近代史を専門とする二人の日本人研究者。
本書内で使われている言葉は日常語。
文章は平易。
また、書かれている歴史事実は、私のような者でも既知。
歴史の解釈・評価もストレート。

が、学問として歴史と向かい合うヒトたちの書いた本。
大変に高い位置からの著述が続く。

上で、〝私のような者〟と書いた。
〝私のような者〟とは〝バカ〟と同義(^^;

ところで、ナチズム(独: Nationalsozialismus)を、Google翻訳で 独→日翻訳すると〝国家社会主義〟。

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こんな飯屋で読み始め。

本著者らの基本的立場は、
 ナチスは「良いこと」もした
ではなく、
 ナチスは「良いこと」をしていない

・アウトバーン
・歓喜力行団
・フォルクスワーゲン
・家族政策
・環境保護
・健康政策
をネタに、ナチスは「良いこと」をしていないと著者らは説く。

本夕、読了。

本書では、ナチズム(独: Nationalsozialismus)は、〝国家社会主義〟ではなく〝国民社会主義〟と訳すべきであるという。
ことほどさように、本書内の著述は七面倒くさい。
アタマをオーバーヒートさせないで読み進められるヒトは、強い脳ミソを持っているに違いない。

私は、読み進めるごとにアタマがクールダウンしていった。
上でも書いたように、〝バカ〟ゆえ(^^;

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2023年8月 4日 (金)

『自炊大好き』を読む

〝週刊朝日〟に1987年から連載されているのは、東海林さだお の『あれも食いたいこれも食いたい』。
連載されたコラムは、3年に2冊ほどのペースで文庫本化され、その数 50冊近い。
私は、それを全部読んでいる。

本書は、連載の選集。
〝自炊〟と書いて〝ソロメシ〟と読ませる。

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こんな喫茶店で読み始め。

『コボちゃん』の 植田まさし は天才。
『アサッテ君』の 東海林さだお も 植田まさし に並ぶ天才。

このヒト、ありとあらゆる食べ物、時には〝白湯〟さえ評論する。
いや、〝評論できる〟ヒト。

本書で、著者が作って食うのは、ピザ丼・チャーシュー・フライドポテトソバ・タコ焼き・チャーハン・カツ丼等々 30食ほど。
チャーハンやカツ丼は誰でも知っているが、ピザ丼やフライドポテトソバとなると本書を読まないと知ることはないだろう。

ぼたもち・大福からの連想で、マーマレードやリンゴジャムを具にしたオニギリをウマイと感じる舌の持ち主の私。
味覚だけは、私は 東海林さだお 並み(^^;

本夕、読了。

ところで、〝週刊朝日〟と〝サンデー毎日〟は新聞社発行の週刊誌の最古参で、ともに1922年創刊。
が、刊行100年を超えたところで、一方の雄の〝週刊朝日〟が力尽き、今年の5月30日発行の6月9日号を最後に休刊。
よってもって、1987年から〝週刊朝日〟に連載が続いていた 東海林さだお の『あれも食いたいこれも食いたい』も自動的に休載となった。

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2023年8月 2日 (水)

『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』を読む

本著者は、〝くう〟に〝喰う〟を使っている。
拙記事も、〝喰う〟で統一する。

書名では〝日本人は〟とあるが、書かれているのは〝著者自身が〟喰った肉のこと。

狩り、解体し、料理し、喰う。
ただし、狩り、解体し、料理するのは著者自身ではなく、猟師。
狩りの手段は、ワナ、散弾、ライフル。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者が喰ったのは、南は西表島のイノシシから始まって、北は礼文島沖のトドまで。
その間に、シカ・タヌキ・アナグマ・ハクビシン・カモ・クマ・ウサギ。

著者はカメラマン。

カメラを持って、著者は猟師と共に、
 山に入り
 雪の斜面を歩き
 真冬の海に乗りだす。

狩られた獲物にとどめを刺し、放血し、皮をはぎ、ハラワタを抜き、解体し、肉を分ける。
そして、焼く、煮る。
時にはナマで。

著者の撮ったそれらの写真が、本書に添えられている。

本夕、読了。

塚は多い。
一方、動物を喰ったことを示す塚は少ない。

今は どうだろう。

スーパーでは、鮮魚と精肉の売り場スペースが拮抗。
が、ハム・ソーセージ・ベーコンを含めると、ミートがやや優勢。
街なかではチキン・バーガー・牛丼が、海鮮系を圧倒。

ビジネスが我々の喰いをコントロールしている。

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