『職業外伝』を読む
AI、DX、ビッグデータ解析。
自動化、複合化。
等々の語を枕ことばに、この先10年、30年の内になくなる職業のことが言われる。
いやいや すでに 仕事がなくなり始めている。
セルフレジは珍しくない。
NHKでは、AIアナがニュースを読む。
そして、必ず言われる。
残るのは、
コミュニケーションを必要とする仕事
創造性が必要な仕事
だと。
こんな飯屋で読み始め。
菓子職人が、チョコやクリームで造形する。
それは、パティシエの技、芸の具現。
本書に書かれているのは、そんなマットウな職人ではない。
マットウな芸術家コースを歩んでいたヒト。
在籍していたのは東京芸大の彫刻科。
が、3年で中退する。
素材はアメ。
シャベクリで客を集める。
シャベリながら、アメで造形し日銭を稼ぐ香具師(やし)。
80℃に温めたアメを、こね・のばし・切り・着色し、客のリクエストにこたえ、何でも作る。
1個、500円から。
本夕、読了。
500円玉を握りしめた女の子が、彼に、
「オジサン、クモつくって。 お空の雲」
知的障害を持つ子だった。
思わず空を見上げて、
「オレもまだまだだなァ」
と。
今までで、一番うれしくて、一番悲しかった注文だったという。
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