『最期の日本史』を読む
京都から岐阜に向かっていた織田信長。
その彼を殺害するために待ち伏せし、火縄銃を撃ったのは、杉谷 善住坊(すぎたに ぜんじゅうぼう)。
撃ったのは2発。
しかし、弾は急所を外し、信長の負った傷は軽かった。
幕府は室町、足利義昭の治世。
1570(元亀元)年、戦国時代のこと。
この史実を下敷きにして描かれたのが、ゴルゴ13 第500話 『史上初の狙撃者 ザ・ファースト・スナイパー』。(注)
第500話では、善住坊を日本史上初のスナイパーだとしている。
こんな飯屋で読み始め。
著者は、日本中世政治史を専門とする歴史学者。
本書に書かれているのは、日本史上の人物の 死に際・臨終の様子。
宇喜田直家(うきた なおいえ)は備前(岡山)のヒト。
織田信長に付いたり離れたりという立場にいたが、結局は信長側に付いた戦国大名だった。
目的のためには どんな汚い手を使ってでもという人物だったようで、史料に残る人物評価は低い。
その彼が、大量の下血をともなう病で死の床に就いた時、一番の家来に自分が死んだときに殉死を求める。
その家来、
「私は、あの世のことを知らないので、地獄にしろ極楽にしろ、
殿の道案内をできない。
あの世の道案内を希望なら、坊主を殺して差し上げましょう。
殺した坊主と一緒にあの世に行かれたら、いかがですか 」
本夕、読了。
ところで、直家は敵対する大名を火縄銃で暗殺することに成功している。
善住坊が信長に発砲するより前の1566(永禄9)年のこと。
本書では、鉄砲による要人暗殺を企てた日本史上初の人物は 直家 であるとしている。
ただし、実際に火縄銃の引き金を引いたのは、直家に命じられた臣下の者。
(注)
『史上初の狙撃者 ザ・ファースト・スナイパー』 のストーリーは以下。
善住坊の子孫がゴルゴ13に ある人物の狙撃の依頼をする。
狙撃には、善住坊が使った火縄銃を使うことが条件。
善住坊が信長の狙撃に失敗した火縄銃を使いながらも、ゴルゴはミッションに成功する。
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