『オンサイト!』を読む
site と sight は同音異義。
on site なら、現場で
on sight なら、チラ見して
くらいの意味。
競技クライミングはオンサイト(初見:on sjight) で、壁に挑む。
2000年公開の『ミッション:インポッシブル2』は、日射しを向こうから受け、オーバーハングの絶壁を登るトム・クルーズを左横から映すシーンで始まる。
右手の指をかけ、
左手の指をかけ、
オッと、指が外れる・・・
自然の壁を初トライで完登することも、オンサイト(on sjight) という。
こんな喫茶店で読み始め。
〝針金〟とあだ名されるほどに痩せた少女の、小学生から中学生になる頃までの話。
1回の懸垂もできない ひ弱な筋肉しかないのに、ロッククライミングに臨む。
2005年、『週刊 モーニング』に連載されるも、17回目の連載を最後に途中打ち切りされたマンガ。
打ち切りの理由は、不人気。
同年、コミック版単行本『『オンサイト!1』・『『オンサイト!2』が発行されるも、間もなく絶版。
本書は、その復刻。
途中打ち切りされた話だから、張られた伏線が回収されていない。
が、作家は続きを描くつもりはないらしい。
もう、そんな体力はない、と。
本夕、読了。
巻末に、
復刻記念対談
『オンサイト!』は鳩間島で生まれた
とある。
鳩間島(はとまじま)は、南も南、北緯24°。
西表島(いりおもてじま)の北、3海里にある小さな円形の島。
直径1キロ、周長3キロ。
作者はちょっとしたことで鳩間島を知り、そこに何度も通う。
鳩間島が彼の何を刺激したのか、その説明はない。
が、ここに通わなければ、『オンサイト!』は生まれなかったと。
私も立ったことがある島。
マンガも対談も中途半端。その中途半端が心地いい。
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