『音律と音階の科学』を読む
私の理解では、
音階:ドレミファのこと
音律:音の高さ(振動数)を決めるルールのこと
以下では、用語の定義を思いっきりユルユルにして、音階も音律も〝音階〟と表現する。
西洋音楽の音階を理屈付けた最初のヒトは、ピタゴラス。
紀元前6世紀のギリシャのヒト。
その頃の日本はと言えば、先史の縄文時代。
ピアノのドからシまでの1オクターブ内にあるのは、白鍵7つ、黒鍵5つの計12。
1オクターブが12に分けられているのはピタゴラスに由来する。
こんな喫茶店で読み始め。
ピタゴラスは数学者。
著者は、自らビブラフォン(鉄琴の仲間)も弾く物理学者。
で、
『数学は本書のためにあるようなものだ』
と書く。
実際、本書の当初原稿は数学的味付けの濃いモノだったよう。
それが、出版社の注文によって数式を削除したと。
おかげで、私でも書かれていることに付いて行けるのはありがたい。
演奏することができ、聞き分けることができるのなら、1オクターブを12だけに分ける理由はない。
現に、インドやアラブ音楽は1オクターブに数十の音階があるらしい。
西洋音楽の代表楽器のバイオリンにはフレットがないから、1オクターブを無限に分割できる。
三味線も同様。
が、7音階、ヨナ抜きの5音階が普通。
本夕、読了。
15世紀の中頃からの70年ほどのイタリアはルネサンスの最盛期で、3人の天才が絵筆をふるった時代。
その3人とは、
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ミケランジェロ
ラファエロ
下の、バチカン宮殿(ローマ教皇の居住宮)の有名な壁画の『アテナイの学堂』はラファエロの手によるもの。
この絵の〇で囲った小さな黒板を足元に置いて座っているのはピタゴラス。
この〇の黒板に描かれているのは下図。
VIは6
VIIIは8
VIIIIは9
XIIは12
4つの数字の組み合わせは6つあるが、
6:12=1:2
6:9 =2:3
8:12=2:3
6:8 =3:4
9:12=3:4
8:9 =8:9
と、比としては4つ。
で、それをを弦の振動数の比(減の長さの逆比)とすると、
1:2 で、ドに対し、1オクターブ上のド
2:3 で、ドに対しソ
3:4 で、ドに対しファ
8:9 で、ドに対しレ
となる。
数字はきれいだが、この方法で作られる音階は、現代人の耳にはちょっと違和感がある。
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