『はちみつの教科書』を読む
本書、タイトルは〝はちみつ〟だが、本文中の表記は〝ハチミツ〟と表記にブレがある。
拙ブログ記事では、以下、〝ハチミツ〟で統一する。
本書によれば、
1位:オリーブオイル
2位:牛乳
3位:ハチミツ
世界のマーケットに出回っている、混ぜ物によって偽装されている食品の上位3者なのだと。
日本のマーケットに限れば、オリーブオイル・牛乳の上にハチミツだろう。
こんな喫茶店で読み始め。
山を歩く者のザックに入っている非常食の定番は、ハチミツかコンデンスミルク。
常温下でも長期間保存がきき、重量当たりの熱量が大きく、流動性があることが山の非常食として選ばれる理由。
ハチミツの重量成分比は、大雑把に丸めると、
果糖(フルクトース) 40%
ブドウ糖(グルコース)30%
水分 20%
その他 10%
要するに、ハチミツは単糖の果糖とブドウ糖がほぼ全て。
ハチミツの腐敗しにくさ、抗菌性の高さは糖濃度の高さと水分量の低さによる。
著者は、この単糖の果糖とブドウ糖が、二糖のショ糖(スクロース:砂糖)より人体に好影響を与えることを強調する。
ところで、ショ糖は小腸にまで達すると果糖とブドウ糖に分解する。
ヒトの体は、この分解と血糖値を上げる能力が素晴らしく、山でバテた時、チョコレートやキャンディを口にすると ほんの数秒でそれを実感できる。
ハチミツの効能を言うのならば、糖としてのハチミツではなく、〝その他〟について追及してほしいと思う。
本夕、読了。
本書、落ち着いて読めるページもあるが、〝波動〟・〝周波〟・〝スピン〟などと、何だかなァのページも多い。
量子力学萌芽期ならともかく、現代量子力学で使う〝スピン〟はクルクル回る〝回転〟とは全然違う概念。
助言者、代筆者の手が入っているのかもしれない。
もし、全ページ 一人で書いたとしたら、自身の守備範囲外のところに手を突っ込み過ぎている。
分からないことは分からないでいいと思う。
知らないことは知らないでいいと思う。
なのに、書く。
で、科学性を大きく損ねているところが散見。
読み終えて感じるのは、定量性に富んだ本を読みたくなること。
私の背負うザックに入っている非常食は、コンデンスミルク。
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