『なぜ日本人は賽銭を投げるのか』を読む
著者は、史学を専攻した民俗学者。
ローマのトレビの泉では、噴水に背を向けてコインを投げ入れる。
岩手の龍泉洞内にある深い地底湖。
その底には、やはりコインが投げ込まれている。
キャッシュレス化が進む中国では、物乞いさえもQRコードを掲げる。
しかし、コインを受ける入れ物も置かれている。
三途の川の渡し賃は六文。
今は、棺の中に10円玉を何枚か入れる。
投げ入れはしない。
こんな喫茶店で読み始め。
棟上(むねあげ)式でモチをまくのは普通だった。
白い紙に包まれた中には、モチと一緒に5円玉が入っているものもあった。
最後に見たのは いつのことだったろう。
ここ 20年も30年も、見ていない。
大相撲や歌舞伎。
満員御礼で関係者に配られる大入り袋。
大相撲では10円玉、歌舞伎では100円玉が入っている。
これは手渡し。
報道関係者にも配られるようで、大相撲の実況アナウンサーが、
「本日、場所三日目ですが、中入り前に大入り満員、札止め。
我々報道陣にも大入り袋が配られました」
と。
本昼、読了。
中韓から必ず遺憾の意を表明される閣僚の靖国参拝。
祭壇に向かって二拝二拍手一拝。
その前に、確かに500円玉を賽銭箱に投げ入れる。
なぜ日本人は賽銭を投げるのか。
著者は、次のように説明する。
ナマミの人間はケガレている。
ケガレの清浄を願って、人間同様ケガレている貨幣と共に賽銭箱に投げ入れる。
この説明は説明になっていない・・・
なっていないが、日本人は賽銭を投げるために神社に向かう。
明日は、その様子がニュースになる。
コメント
登別の地獄谷を歩いてくると、小銭が投げ入れられている場所がありましたね。
しばしば「小銭を投げないで下さい」と注意書きがありますが、そういう場所では概ね無視されているようです。
何を願って小銭を投げるのか、神様はそんなにお金が好きなものなのか。
3割良ければ概ね佳し、
充実した1年を過ごされたようで何よりでした。
佳いお年をお迎え下さい。来年もどうぞよろしくお付き合い下さいませ。
投稿: めりー | 2022年12月31日 (土) 16:10
めりーさん、こんにちは
賽銭のつもりなのか何なのか、
新田義貞が鎌倉に攻め入る際、行く手を塞ぐ潮を引かせてもらおうと金の太刀を海に投げ入れたという伝説がありますね。
アポイ岳や黒岳山頂には小さな祠があります。
十勝岳山頂には石碑。
室蘭岳にも水神社。
私はそれらを写真に撮ったりしたこともありませんが、小銭なら置かれているように思います。
〝五円〟を〝ご縁〟にかけたりなんていうのも、〝円〟が生まれた明治以降のこと。
私、本記事中に、
「この説明は説明になっていない・・・」
と書きました。
そうなんです。
賽銭箱に入れるのは、小銭なんですよね。
小銭だから投げられるンです。
〝佳い〟という字はいい字ですね。
佳いお年を。
投稿: KON-chan | 2022年12月31日 (土) 18:24