『「カノッサの屈辱」を30秒で説明せよ。』を読む
世界史上のキーワードを、本書ではパワーワード呼ぶ。
NHKのアナウンサーがニュース原稿を読む速さは、1分間に300から350文字。
1分間に1000字、30秒で500字話せたら、かなりの早口。
黙読なら 数字が上がる。
それでも、1分間に1600字、30秒で800字読めれば一般人なら速いほう。
本書で取り上げられているパワーワードは、86。
1つのパワーワードを説明する文字数は1000前後。
口で説明することはもちろん、読むにしても30秒では難しい。
まァ、急ぐ必要はない。
ゆっくりと、ページをめくろう。
こんな喫茶店で読み始め。
ポルトガルとスペインが植民地を求めて、アジア、アフリカ、南北アメリカ大陸へと大型帆船で航海を行う。
15世紀中期から17世紀中期の約200年のことで、その時代を世界史では〝大航海時代〟と区切る。
〝大航海時代〟の最初の覇者は、15世紀末にアフリカ南端の喜望峰回りのインド航路を開き莫大な財を成した人口150万の小国だったポルトガル。
英文の歴史書では、〝大航海時代〟を〝Age of Discovery(発見の時代)〟と記述している。
そもそも、〝大航海時代〟というパワーワードを案出したのは日本人。
〝Discovery〟とは、ヨーロッパ人の立場。
アジア、アフリカ、南北アメリカ大陸は、彼らに発見されるもナニも ずっと以前からそこにあった。
と、岩波書店の世界史シリーズの編集スタッフは考え、〝大航海時代〟というパワーワードを案出した。
今から、60年前のことで、意外と新しい言葉。
本夕、読了。
現地の発音にできるだけ忠実にというのが現地音主義。
なので、キエフと発音していたウクライナの首都がキーウと発音することになった。
同様に、
マホメットがムハンマド
アレキサンダー大王がアレクサンドロス大王
ヒットラーがヒトラー
リンカーンがリンカン
などが、本書に紹介されている。
ところで、今年の5月横須賀にも寄港した 世界の海軍史上初の女性艦長が指揮する原子力空母の日本のマスコミでの表記は、エイブラハム・リンカーン。
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