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2022年10月15日 (土)

『ホワイトハウスの職人たち』を読む

日本国首相が住むのは、首相公邸。
執務場所は、公邸から100メートルばかりの首相官邸。
職住近接。
政権が変わっても、行政官僚は変わらない。

米国大統領が住むのは、ホワイトハウス。
執務場所も、ホワイトハウス。
職住一体。
米国大統領の任期は4年。
夏季オリンピックの年毎に選挙がある。
2選までしか許されないから、世界第1位の権力者の任期の最長は8年。
政権が変われば、行政スタッフの高位ポストに就いている者は総入れ替え。

政権が変わっても、ホワイトハウスで働き続ける者が80人ほどいるという。
 大統領一家の毎日の食事を用意する料理人
 掃除・洗濯をするメイド
 会議室に花を飾るフラワーデザイナー
その他、電気工・庭師・大工など。
それが、〝ホワイトハウスの職人たち〟。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は、韓国の大学を出、ソウル放送局記者を経て、日本の経済産業研究所や米国の大学などで研究員を務め、現在はワシントンに在住する韓国人ジャーナリスト。

ジェームズ・カーター
ロナルド・レーガン
ジョージ・ブッシュ(父)
ウイリアム・クリントン
ジョージ・ブッシュ(子)
の、5人の大統領とその家族のために、60歳になるまでの25年間、デザートを作り続けた菓子職人がいる。
25年間、9100日の間に作った菓子は3000種。
大統領の夏休みと外国訪問期間だけが、菓子職人の休暇。
ホワイトハウスに大統領がいる時は、前日から仕込みを始め、大統領の職務終了後に帰宅。
1日の労働時間は、16時間を超えたという。

ところで、民主党員より共和党員のほうがデザートに関心が高いと、ホワイトハウスの菓子職人談。
現米国大統領のジョー・バイデンは、民主党員。
デザートに面倒くさい注文をつけない大統領かも。

本夕、読了。

米国は移民の国。
上記の菓子職人も、フランス生まれ。
9歳でパン屋の丁稚奉公を始め、ドイツ、英国と菓子職人修行。
その間に、ドイツ語と英語と栄養学を身につけ、米国に渡り、ホワイトハウスにスカウトされる。

ホワイトハウスの菓子職人にとって、栄養学は必須の知識。
ホワイトハウスにいる間に、体重を増やした大統領はいないらしい。

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コメント

3000のレパートリーはスゴイですね。
毎日3食、毎度デザートを出しているのでしょうか??(それもスゴイと思います)
栄養学を学んだら、太らないデザートが作れるでしょうか。
栗のいい時季だと思います。貴殿のスイーツはこの頃はいかがでしょうか?
純粋に栗クリームだけのモンブランを食べたいですね(それこそ自作するしか無さそうです)

投稿: めりー | 2022年10月18日 (火) 03:31

めりーさん、こんにちは

米国大統領は1日3食。
おやつは食べないそうです。
朝食はひとりで。
かわぐちかいじの『沈黙の艦隊』では、ニコラス・J・ベネット大統領がひとりで朝食をとりながら、スタッフから原子力潜水艦〝やまと〟の動向を聞く場面が描かれていますね。
米国大統領の最長任期は8年、2900日くらい。
レパートリーが3000。
任期中、同じデザートを出すことはないと本書に書かれているので、デザートは1日1回のようです。

ブログにはアップしませんでしたが、先々週、私は壮瞥のリンゴでジャムを作りました。いい栗が手に入ったのですが、茹で栗で食べました。

投稿: KON-chan | 2022年10月18日 (火) 07:32

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