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2022年8月27日 (土)

『サムライと英語』を読む

明治まで あと15年の1853(嘉永6)年。
ペリー率いる米国東インド艦隊の4隻の黒船が、東京湾口 浦賀沖に錨を入れる。

長崎の出島のオランダ商館を通じて、幕府は世界の近況をよく知っていた。
なので、この黒船が来ること、さらにはその来航の目的までも、幕府は1年以上も前から知っていた。

元国連事務次長の明石 康(あかし やすし )と、NHK「英語でしゃべらナイト」取材班の共著。

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こんな喫茶店で読み始め。

協働・協業の場では、組織内・間で、情報の共有、風通しの良さ、縦串を刺す、横串を刺すことの重要さが言われる。
が、今の世でも、過ぎた世でも、今後の世でも、同質の情報を上の階層から下の階層まで そろって共有できるはずがない。
そうであっていいはずもない。
下々(しもじも)は蚊帳の外。
そういう言い方が悪ければ、上位層のみが持つべき情報というものはある、と言い換えよう。

というわけで、浦賀奉行所に詰めていたサムライには、黒船が来航することは知らされていなかった。
浦賀奉行所の通詞(通訳)のサムライが使える外国語はオランダ語。
浦賀奉行所のサムライは、いかにこの事態に対峙したか。

ペリー側も、オランダ語を使える者、中国語を使える者を同行させて来ていた。
で、日米はオランダ語を介して通じ合うことになる。

本夕、読了。

艦内に招き入れられたサムライは、教養の高さをペリーらに感心される。
米国人が見せる地球儀に、サムライはワシントン・ニューヨーク・イギリス・フランス・デンマークを的確に指し示したという。
また、トンネル技術や蒸気機関のみならず、進捗中のパナマ運河の工事にまで及ぶ質問をサムライはしている。

オランダ語を学んでいたサムライが、この頃から英語へと学びの方向をシフトし、それがまたとても熱心。

シャープは台湾資本、経営トップも台湾人、
が、社内公用語は英語。
日産もルノーが筆頭株主で、トップにフランス人が就いていたこともある。
しかし、社内公用語は英語。
それらの会社が英語を使う事情は分かる。
ところで、ユニクロ(ファーストリテイリング)や楽天が社内公用語を英語とするのは、シャープや日産とは違う理由だろう。
何だかんだと提供される話題に軽さを感じさせる両社だが、トップの思いは幕末のサムライに近いのかもしれない。

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