『なぜ宇宙は存在するのか』を読む
小学生でもちょっとませた子なら以下を言う。
宇宙はビッグバンから始まった。
その宇宙は膨張していて空間は有限。
ところが、著者は、
ビッグバン前に、原子核ほどの大きさの構造が、102 秒ほどの
短時間のうちに、現在とほぼ同じ宇宙の大きさまでに急速に膨張
した。
そして、宇宙は最初から無限だった可能性がある。
と書く。
こんな喫茶店で読み始め。
著者は日本と米国の大学で教授・研究する日本人物理学者。
宇宙は膨張している。
発見は、1929年。
その膨張が、実は加速しているとの発見は、その70年後、20世紀も もう終わりという頃。
著者が研究者としてスタート地点に立った時のことで、その報告に衝撃を受けたという。
万有引力が支配する世界で、減速ではなく加速している。
であれば、加速させる〝何か〟があるはず。
その〝何か〟を物理学者たちはダークエネルギーと呼ぶ。
本夕、読了。
宇宙の果てが外側に出っ張った曲面(正の曲面)ならば、そこに大きく描かれた三角形の内角の和は180°を超える。
宇宙の果てが内側にくぼんだ曲面(負の曲面)ならば、そこに大きく描かれた三角形の内角の和は180°を下回る。
しかし、現在の観測では平面に描かれた三角形と同じ、180°。
宇宙の、この平坦さはビッグバンだけでは説明しきれない。
それを解決するため、ビッグバンの前に何があったのかの説明が続く。
本書は、今年3月出版の最新刊。
執筆は、コロナ渦中のこの2年半。
本書に書かれている時間のスケールは、大変に短く大変に長い。
10-38 秒 から 10100 年。
我々の人生の、何と長く何と短いことよ。
コメント
つい数日前に、天の川銀河のブラックホール、いて座のAスターの画像が公開されましたね。
もう、これがフェイクであっても私には全く判別のつかない世界です。
この撮影がどれだけ困難だったことでしょう。
世の中は私の認識を超える不思議であふれています。
時間軸は波になっていてもおかしくないと思います。
ビッグバンはなんだったのか。
人にそんなことを解明できる日が来るんでしょうか。
投稿: めりー | 2022年5月15日 (日) 02:47
めりーさん、こんにちは
いて座のAスターは、解析に5年かかったそうですね。
ブラックホールは遠い将来は蒸発するそうで、本書にもその説明があります。
ブラックホールの〝蒸発〟とはどんなことなのか、私には全然イメージできませんが。
こういう本を読んで、分かったつもりになってはいけない、と言うヒトがいます。
私もそう思います。
読み手が素人ですから、数学的操作の説明がポロっと落とされています。
もっとも、ポロっと落とされていないとページ数が50倍にはなるでしょうし、それを読んで理解できるならば著者と同じレベル。
それならば、そもそも、読む必要がありません。
私はまっとうな読み方ができたと思っています。
分かったつもりには、なってません(^^;
投稿: KON-chan | 2022年5月15日 (日) 17:05
どうも、ビックバン説は納得がいかない感じ。
じゃあ、どうなのと言われても、
こうだと思うという。説も出てこないが、
宇宙全体は球状の様な気がしている。
その先へは、進めない。進んでいるつもりでも
元の場所に戻ってくる。地球の表面のような
宇宙って感じが私の気持ちですが。
3次元の話、時間の話、重力の話 小学生の頃から
興味は尽きない。でも判らない。
そもそも、重力や磁力は何故発生するのか
基本がわからないよ。
投稿: ja8oxy | 2022年5月16日 (月) 05:46
ja8oxyさん、こんにちは
我々の宇宙は有限らしいというのは、ちょっと前までの説。
本書には、〝無限〟とか〝無数〟という表現が何度か出てきます。
宇宙の種類は10^500以上あってもおかしくない。
その前提に立てば、我々が存在する宇宙があるのは、10^-120以下の確率なのだとあります。
ダークエネルギーを自然に説明できる、〝ほぼ〟唯一の理論がそれだと。
〝ほぼ〟とあるのは、現在の理論と観測からはそう言えるが、これからの観測次第によっては否定されるかもしれないということから著者は慎重にそう表現したんでしょう。
まァ、何のことか私にはサッパリ(^^;
未発見だし理論も未完成ですが、重力を説明するのに使われる重力子のことがチラッと本書に出てきます。
磁力も不思議です。
左手の法則は知っていますが。
投稿: KON-chan | 2022年5月16日 (月) 10:25