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2022年2月 4日 (金)

『日本の古式捕鯨』を読む

室蘭市のマスコット(ゆるキャラ)は、〝くじらん〟。
古く室蘭は捕鯨が盛んで、クジラの解体場まであった。
市立水族館は、その跡地に建設されたもの。
今でも、噴火湾内にはイルカが入るし、湾外に出るとシャチやセミクジラを見ることがある。
その室蘭の追直漁港に、昨夏、捕鯨船が入港、室蘭沖でクジラの回遊状況を調査している。
この捕鯨船の所属が、和歌山県太地(たいじ)町漁協。
太地町は和歌山県の南東に位置し、すぐ東が太平洋熊野灘。
太地町は今でも捕鯨の町として有名で、捕鯨の歴史を400年以上もさかのぼれる町。

太地町には、捕鯨・解体、流通に乗せるまでの全てが整っている。
本書は、その太地町の捕鯨の歴史。

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こんな喫茶店で、読み始め。

古式捕鯨とは、動力船から捕鯨砲を撃って獲る近代捕鯨法に先立つ捕鯨法。

1878(明治11)年の年末近く、太地港から出た十数艘の手漕ぎ船々団、総勢200人。
大型クジラを仕留めるのに時間が掛かり、沖に出過ぎて黒潮に流され、多人数が行方不明となる事件が起きている。
世に言う、〝脊美流れ(せみながれ)〟がそれ。
以降、古式捕鯨法はすたれる。

本書は、太地五郎作(たいじ ごろうさく:1875(明治8)年-1957(昭和32年))の講演口述を製本化したもの。
<以下、太地五郎作を著者と表わす>
著者は、太地村の捕鯨漁師のリーダー格の家に生まれるが、幼少期に分家へ養子として出、長じて村の郵便局長、太地町の隣町の勝浦(現、那智勝浦)町長を歴任したヒト。

古式捕鯨法がすたれるきっかけとなった〝脊美流れ〟は、著者、3歳か4歳の時のこと。
だから、本書の内容は実体験ではなく、著者が見聞きしたこととなる。
しかも、本書の元となる2回の講演時の著者の年齢は、62歳と79歳。

本夕、読了。

本書を、偽史と断じる歴史家もいるらしい。
実際、〝脊美流れ〟の行方不明者の数を、百有余名と言ったり、七、八十と言ったりなどの乱れが本書にはある。
また、盛った口ぶり、見てきたようなウソを言う講談師口調もある。
まァ、そこンところは片目をつぶって読むことで(^^;

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コメント

「盛った口ぶり、見てきたようなウソを言う講談師口調もある」。いけませんね、我々釣り師も注意ですね(笑)

投稿: 夫婦釣り | 2022年2月 5日 (土) 10:37

夫婦釣りさん、こんにちは

刺さるハリ、切れないライン、曲がるロッド。
魚探搭載のエンジン付きのボート。
ンで、これを使う相手は、弱く知恵のないサカナ。
いい年をした大人が、そんな弱いモノいじめの話を
 大言壮語
 誇大妄想
 牛刀割鶏
 巧言令色鮮し仁
そして、
 盛った口ぶり
 見てきたようなウソを言う講談師口調
で装飾(^^;
まァ、確かに、船上から見る水中のサカナはデカく見えます。
タモ入れに失敗、バラしたサカナは更にデカい。

北西風の強い日が続きます。
 大言壮語
 誇大妄想
 牛刀割鶏
 巧言令色鮮し仁
そして、
 盛った口ぶり
 見てきたようなウソを言う講談師口調
で装飾した話をする そのネタを得るために沖に出ることがかないません(^^;

投稿: KON-chan | 2022年2月 5日 (土) 11:54

室蘭沖でくじらを見てみたいなあって思います。
一度だけ、背中を見ました。
シャチにも会いたいですねー。こちらは見かけたことがありません。
いるかがいっぱいいるよ!と言うと、室蘭の沖を知らない人は「いいなあ〜」という顔をしますね。海が豊かなことは、何よりです。
孔子ですか、令色にはどうぞお気を付け下さい。八方美人も善し悪しですね。

投稿: めりー | 2022年2月 7日 (月) 15:28

めりーさん、こんにちは

ミンククジラなのかセミクジラなのか。
大型のクジラはいません。
また、毎度毎度という頻度で見られるわけでもありません。
見るのは、たまに。
シャチのあのカッコいい背びれを見ることもありますね。

長崎の中華街近くに孔子廟があります。
博物館もあって、それも含めて、在日中国大使館の資産。
ここに行ったことがあります。

小泉純一郎の〝ワンフレーズ政治〟ってありましたが、論語はどの行をとっても、〝ワンフレーズ教訓〟。
巧言も令色も、仁に乏しいのは確かです。

投稿: KON-chan | 2022年2月 7日 (月) 17:30

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