『官報複合体』を読む
副題は、『権力と一体化するメディアの正体』。
帯に、『メディアは国家権力の広報誌である!』とある。
官邸や役所から記者クラブに流される情報そのままの記事を指して、著者はそれを国家権力の広報と呼ぶ。
著者は、元日本経済新聞社記者。
こんな喫茶店で、読み始め。
20代で、社費で米国の大学院のジャーナリズム課程へ留学。
その時に学んだ米国流ジャーナリズムとは、
・情報提供者が匿名
・いずれ表に出ること、例えば、
企業合併や新製品
は新聞記事にはならないのだと。
本著者、ふたこと目とは言わないが、四こと目、五こと目には、この米国流ジャーナリズムを持ち出す。
米国流ジャーナリズムへの本著者の肯定感の強さは、心酔というか何というか。
異様ささえ感じる。
その裏返しが、日本のジャーナリズムへの強い批判。
週刊文春は記者クラブから締め出されている。
が、いわゆる〝文春砲〟と称されるインパクトのあるネタを連発。
本著者が、まっとうなジャーナリズムと考えるのは、文春のような取材方法のようだ。
本夕、読了。
自身の所属する組織内では、第4権力者としての力量を発揮できないことを理由に辞職。(注)
執筆者・翻訳者として独立。
また、大学(院)でジャーナリズムを講じる職を得る。
自身がなせなかった米国流ジャーナリズムを体現できるジャーナリストを育てようとの意気込みが、書き込まれている。
自身がなせなかった・・・
だけど、そう・・・
ヒトには、言えるンだよなァ(^^;
(注)
私は、
第1権力:国民
第2権力:国家(立法・行政・司法)
第3権力:ジャーナリズム
と習ったような気がするが、どうも間違って記憶していたようだ。
立法・行政・司法が第1から第3までの3つの権力。
それを監視、大衆へ伝達する機能を持つジャーナリズムを第4権力と呼ぶようだ。
最近は、SNS・ネット検索エンジンなどを第5権力と言ったりもするらしい。
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