『イラストで見る 昭和の消えた仕事図鑑』を読む
コンビニ、スーパーのレジ。
バーコードの読み取りは店のスタッフだが、清算は購入者が行うセミセルフレジへの置き換えが進んでいる。
まだ少数だが、バーコードの読み取りも購入者が行うフルセルフレジもある。
レジ担当者の、清算業務がなくなった。
が、これは〝昭和の消えた仕事〟でなくて、〝令和の消えた仕事〟。
こんな喫茶店で、読み始め。
本書冒頭に、〝昭和における「賃金・物価」の遷り変わり〟とあり、
昭和6・16・24・32・40・50年の、
小学校教員初任給
東京の大工の賃金
米の価格
醤油の価格
などが示され、消えた仕事の貨幣価値の理解を助ける。
あげられている職業は114種。
文選工。
新聞などの印刷のため、原稿を活字に置き換える。
今は、DTP。
その前は、写真植字。
さらに前は、鋳植機。
そのさらに前、活字をひとつひとつ拾って並べる仕事をしていたのが文選工。
〝文〟選工というより、〝字〟選工といったほうがいい。
帝国時代は、誤植は絶対に許されないと、〝天皇陛下〟と、これだけで一つの活字にしていたらしい。
5階までしかないデパートにも案内嬢が乗っていた。
昭和の消えた仕事のひとつとして、本書が取り上げているのが このエレベーターガール。
エレベーターの床の、エレベーターガールの立ち位置だけがヒールですられ、色が落ちていたのを憶えている。
三越も東急も、とっくに乗っていない。
が、この職業、昭和の消えた仕事かといえば さにあらず。
東京スカイツリー、六本木ヒルズのエレベーターは、エレベーターガールが案内する。
本夕、読了。
室蘭港は、石炭積み出し量が東洋一だった歴史を持つ。
石狩炭田で採掘された石炭が、50両も60両も連結されたセキ3000形貨車で運搬されてくる。
今の入江運動公園あたりがその集積場、石炭ヤード。
そこであった冬の仕事が、〝ガンガンたたき〟。
貨車の中で凍りついた石炭をヤードに落とす作業のこと。
10ポンドハンマーやツルハシで貨車をガンガンとたたく仕事。
1969(昭和44)年まであった仕事だ。
女性:看護〝婦〟
男性:看護〝士〟
も消えた職業。
が、昭和ではない。
看護〝師〟に呼称が統一されたのは、2002(平成14)年。
増えた仕事もある。
保健〝婦〟はいたが、保健〝士〟はいなかった。
保健士の誕生は1994(平成6)年。
保健〝師〟への呼称統一は看護〝師〟と同様な経緯。
YouTuber。
今世紀に入ってから、これも平成からの仕事。
コメント
デパートでエレベーターガールが同乗した記憶がありませんが、どこかのナンとかタワーで何度か。すごく緊張しました(何故??)
石炭って凍りますか。そんなハンマーやらツルハシで叩いたら、貨車が大変なことになりそうですね。
世の中はどんどん変わって行きます。
間もなく銀行の通帳すら無くなってしまいそうな。
人の代わりに、人より正確なAIが仕事を担う場面が増えるでしょう。
令和の世の中、生きやすい世の中になるといいですね。
投稿: めりー | 2021年12月 3日 (金) 19:53
函館の五稜郭タワーには、いらっしゃいますよね。
昔は、丸井、三越にも乗ってましたね。
投稿: ja8oxy | 2021年12月 3日 (金) 20:09
めりーさん、こんにちは
石炭自身は、もちろん凍りません。
発破や削岩機で崩されて地上にあげられた石炭は、洗炭という工程を経て貨車に積み込まれます。
洗炭とは、粉状の石炭を洗い流し、塊状の石炭と選り分ける工程です。
この水が貨車の壁と凍り付くわけです。
私もさすがにツルハシはないだろうと思っていましたが、ガンガンたたきの作業風景の写真が残っています。
ツルハシ、10ポンドハンマーを振り回しています。
貨車の側板はベコベコですね。
遠隔化、軽作業化、緻密化、均一化、高速化、自動化は進むでしょう。
しかし、ヒトの能力は、その能力の高さを考えればその対価は実に安いものです。
24時間、1日に3人。
思いっきり高めに、年に1億としても、安いもんだと思いませんか。
ヒトは生きやすくなります。
で、もっと仕事をするようになると、私は思います。
投稿: KON-chan | 2021年12月 3日 (金) 23:49
ja8oxyさん、こんにちは
あゝ、ですね、五稜郭タワー。
随分前に上がりました。
丸井、三越。
そう、白い手袋・帽子。
「上へまいります。」
投稿: KON-chan | 2021年12月 3日 (金) 23:50