『大人も知らない? ふしぎ現象事典』を読む
体裁は子供向け本。
実際、文字は大きいし、文章はやさしい。
すべての漢字がふりがな付き。
イラストも多く、それも絵本作家が描いたもの。
こんな飯屋で読み始め。
体裁の割に、内容は深い。
例えば、
眠れない夜、部屋で「シーン」という音が
聞こえるの・・・
ナンデ?
という疑問に対し、
それは・・・ ダンス細胞の音
と、回答が示され、それについて解説される。
鼓膜の振動を、耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)で機械的に増幅して内耳に伝える。
ここまでは、大方のヒトが知っている。
しかし、増幅はそれだけではないようだ。
耳小骨での増幅はせいぜい3倍。
それがリンパ液を介してダンス細胞(外有毛細胞)を刺激、聴覚感度をさらに1000倍に増幅。
このダンス細胞の振動数が、毎秒20000回(20000Hz)なんだと。
この高振動数を発生させるタンパク質はすでに発見されているが、その構造も、従って振動の仕組みもまだ不明。
それが明らかになれば極超小型モーターの具現化などへと応用範囲は広い。
なので、医学・生理学者のみならず、産業界・学界の工学者も研究の渦中にいる。
本夕、読了。
赤いペンで「青」と書いてあると、実際に
何色で書いてあるのか一瞬わからない・・・
ナンデ?
「あお」と答えるか、「あか」と正解したとしても時間がかかる。
質問2題。
<質問1> 何色で書いてある?
青 あお → 正答 赤
<質問2> なんて書いてある。
赤 あか → 正答 赤
発見者の米国の心理学者ジョン・ストループにちなんで、〝ストループ効果〟と呼ばれているそうな。
本書によれば、
人は、書いてある字の意味をほぼ自動的に受け取る。
それを無視して色にだけ注意を向けるというのはとても難しく、
ストレスを感じるものなのだ。
それが、
<質問1>に回答するには時間がかかり、
<質問2>には瞬答できる
理由。
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