『猟犬探偵』を読む
マンガ。
『セント・メリーのリボン』と『サイド・キック』の2作。
・月2回刊行誌に9回連載したのが、『セント・メリーのリボン』
・隔月刊誌に8回連載したのが、『サイド・キック』
発表された時期も連載誌も違うので、両作はそれぞれに独立した物語。
だが、2作を通して1作としても読める。
だから、書名の『猟犬探偵』の横に〝完全版〟と付く。
原作は、稲見一良(いなみ いつら)。
(私は、このヒトのことを本書で初めて知った)
作画は、谷口ジロー。
こんなパン屋のイートインカウンターで、読み始め。
狩猟先で行方不明になったイヌや、盗まれたイヌをさがすのを商売にしている男が主人公。
探すのは猟犬だけで、ペット犬や小型犬は探さない。
ということにしているが、盗まれた盲導犬や厩舎から連れ出された老サラブレッドを探すことも。
盲導犬は吠えない、嚙みつかないように訓練されている。
かかえられて盗まれている さいちゅうにも、盲導犬は吠えないし嚙みつかない。
その、盗まれた盲導犬を主人公は探し当てる。
本夕、読了。
作画家は、原作を読み編集者にマンガ化を打診するもかなわず。
それから過ぎること十数年。
作画家より16歳年上の原作者は64歳で逝去。
原作者逝去のさらに数年後になって、このマンガの連載が始まっている。
マンガだから・・・
と、言っては失礼かもしれないが、作画家も あとがき で言うように、ストーリーは荒唐無稽・ご都合主義満載。
しかし、イヌを飼ったことがあり、そのイヌに死なれた経験のあるヒトは、涙越しに読むことになるページがあるかもしれない。
私、『セント・メリーのリボン』を読んでいる途中で、不覚にも落涙(^^;
『セント・メリーのリボン』の〝セント・メリー〟は、盲導犬の名前。
『サイド・キック』の〝サイド・キック〟は、相棒・親友のこと。
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