『マリコ、うまくいくよ』を読む
同じ会社の三人のOL。
入社 2年の岡崎マリコ
入社12年の矢部マリコ
入社20年の長沢マリコ
の心の内が描かれる。
1話48コマのマンガが、31。
画風は、いわゆるヘタウマ。
ヘタウマ画風の先輩マンガ家の福地泡介や東海林さだお より、さらにさらにコマの中の線が少ない。
こんな飯屋で読み始め。
100万年たっても女性役員どころか女性部長さえも現れないと思っていた三人のマリコの勤める会社のデキる女性、桑田さん。
その桑田さんが部長に昇格することになった。
社創立以来、初の女性部長。
入社2年の岡崎マリコに、先輩男性社員が言う。
桑田さんすごいよねェ、部長って
仕事に生きる女って感じだもんね
あ、いい意味でね!
桑田さんはさ、ある意味、もう会社と結婚してるってゆーか
いや、ホント尊敬するわ
で、岡崎マリコはつぶやく。
〝いい意味〟とか〝ある意味〟とか〝意味〟なんかいるのかな
っと。
本夕、読了。
私の身近で、
「何だかなァ」
と、理由らしい理由を言わずに転職していったヒトがいた。
「何だかなァ」
それさえも言わず、自分で自分の生を断ったヒトもいた。
入社2年のヒト、3年のヒト、5年のヒト。
入社25年のヒトもいた。
長く身を置こうと考えていた環境は、それに値するのか値しないのか。
それが分かるのに、25年を必要とするヒトもいれば、2年、3年、5年のヒトもいる。
本著者は10年に満たないようだが、OL経験がある。
入社12年の矢部マリコ
入社20年の長沢マリコ
の心境も著者は表現する。
著者、
ヒト
ヒトとヒト
ヒトとヒトとヒト
の関係が見えるヒトのようだ。
コメント
ミリさんの著書を幾つか読みました。静かな空気感が好きです。
ひとつの組織に長く身を置くというのは、一種の才能が必要だと思っています。
私には、それが欠けていますね。
欠けている人のほうが、多いようにも思います。
ヒトとヒトとヒトの関係って、現実に難しいですよー。
投稿: めりー | 2021年8月16日 (月) 19:11
めりーさん、こんにちは
本著者の著作をお読みですか。
私は本書で初めて益田ミリを知ったのですが、このヒト、大したヒトだと思います。
めりーさんがおっしゃる通り、確かに静かな空気感がありますね。
誰でもごくごく普通に持つ心境の表現。
絵にも文にも、飾りも作りモノもありませんが、その何でもない表現に胸が絞めつけられます。
こういう表現者に出会ったのは初めてです。
ひとつの組織に長く身を置けようが、置けまいが、置くべきか、置かないべきか、我々程度の者にはどうでもいいことのように思います。
ンなことはつまらないこと、思いわずらうほどのことではないような。
投稿: KON-chan | 2021年8月16日 (月) 22:24