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2021年4月21日 (水)

『思わず興奮する 性生活の日本史』を読む

文字で残る最古の日本人は、『三国志』中の『魏志倭人伝』。
3世紀終わり頃の書。

 其俗国大人皆四五婦 下戸或二三婦 婦人不淫不妬忌
 不盗竊少諍訟 其犯法 軽者没其妻子 重者没其門戸
 及宗族

 その国の風習では、身分の高い者はみな四、五人の妻
 を持つ。
 下層民は二、三人の妻を持つ。
 婦人は貞節で嫉妬をしない。
 盗みをせず、訴えごとが少ない。
 法を犯すと、軽い者は妻子を没せられ
 重い者は一家や一族が没せられる。

3世紀の日本は、法律を有し、一夫多妻社会だったようだ。

本著者は、古事記(712年)・日本書紀(720年)、更に時代は下って11世紀初めの『源氏物語』内の記述などから、古代日本は一夫多妻社会だったのではなく、複婚社会だったと書く。
古代日本は、男が複数の妻・恋人を持つと同時に、女も複数の夫・恋人を持つ社会だったと。

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こんな飯屋で読み始め。

異性間が複線の関係であることが普通だっただけではなく、武田信玄と高坂昌信、織田信長と森蘭丸の例のみならず、武将の男色は〝たしなみ〟。
僧侶と稚児の関係からも、日本社会は男色に寛容だった。

出典は確か。
文献に残る対象だから上流社会。
誰がしもじもの性生活に興味があろう。
遠い天上人の秘め事にこそ、我々(私だけか)は興味を持つ。
それが書かれている。

期待していたのは、題名にある〝思わず興奮〟。
しかし、〝思わず興奮〟させるような記述はない(^^;

本夕、読了。

著者は、大学で日本史を学んだヒト。
出版社勤務ののち、フリーライターとして執筆活動をしている。

男女のAがBと、AがEと、BがCと、BがEと、CがDと、DがEと通じ合うといった、複線の性愛関係がある環境が大学のサークル内や職場内にあることを書いている。
多分、本著者の実経験だろう。

男と女。
3世紀の世界も11世紀の世界も21世紀の今も、貴族も庶民も同じ。

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コメント

案外と、知能の高い動物は、その方向にあるのかも。
チンパンジーなんかも、色々と忙しいらしい。
今や我が身は、前立腺癌の治療ですっかり、
関係の無い体になってしまった。

投稿: ja8oxy | 2021年4月24日 (土) 04:13

ja8oxyさん、こんにちは

小松左京に『オルガ』という短編があります。
舞台設定は40世紀。
男女が向かい合って〝オルガ〟という液体を飲む。
すると、肌を合わせなくても二人ともオーガズムに達することができるという話です。

年がら年中 見境なく発情している我々人類には必要な液体かもしれませんね。
ヒトはやはり高等動物、知性の動物。
ヒトの性行動は、本能から離れていきつつあるように、私も思います。

投稿: KON-chan | 2021年4月24日 (土) 15:55

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