『「わかる」とはどういうことか』を読む
〝何かについて考える〟ことは誰しもの日常。
本書に書かれているのは、〝何かについて考えるということ自体〟についての考えたこと。
〝何かについて考えるということ自体を考える〟とは、〝わかる〟という仕組みを考えること。
こんな飯屋で読み始め。
著者は、
何かについて考えるということ自体を考える〟ことは誰でもやっている
ことではない。
暇な学者がやっている。
と書く。
著者は、脳出血などで認知障害を発症した人たちの診断・治療・リハビリを行う神経内科医。
認知障害とは、自然に流れていた頭の働きがあちこちで停滞する症状。
つまり、それまでわかっていたことがわからなくなってしまう症状。
先天的白内障を患って明暗しか感じられないヒトの目も、今の医学は治療できる。
で、生まれ落ちてから一度も視界を得られなかったヒトが、モノを見ることができるようになる。
が、網膜に映った像をにわかには認識できないのだそう。
「わかる」とはどういうことかが、こんな話から始まる。
本夕、読了。
自分の見ている赤色は、ほかの誰かが見る赤色と、はたして同じ赤色に認識されているのだろうか。
みたいな疑問を持ったことがないだろうか。
理知的に「わかる」ということに対し、感覚的に「わかる」ということは、はるかにその認識が困難。
「どうして、私の気持ちを分かってくれないの!」
と言われても、分かるわけがないのだ。
自分の見ている赤色は、ほかの誰かが見る赤色と、はたして同じ赤色なのか説明できないのと同じ(^^;
コメント
良く、私の赤は、他の人の赤とは違うのではないかと
思うことがありますね。
実は、聴力にも最近疑問を感じた。
ソニーのヘッドフォンを買った。
Bluetoothで繋がるやつ。
スイッチを入れると、美人の白人で金髪のおねぇさんが
当然英語で
Power on
Down in for me charged
Bluetooth connected
と言っているように聞こえる。
ソニーにD***in for me chargedって聞こえるけど
何て言っているんだとメールした。
予定通り、マニュアルにはそんなメーセージはない。
と3回のメールでやっと、納得のいく回答が来た。
Battery fully charged
と言っているとのこと。
私にはバッテリーとは、とても聞こえない。
バッテリーだと言われれば、ソーかもしれないなぁ。
Fully が for me なんとなく似ているかも。
私の英語力が 単なる日本人英語なのかもしれないが。。。
投稿: ja8oxy | 2021年3月26日 (金) 07:23
ja8oxyさん、こんにちは
感覚を他人とどの程度共有できているのかを知ることは非常に難しいことです。
ごく短く、かつゆっくり発音される、
位置について
on your marks
が、私には〝オニヤマ〟と聞こえます。
英語を母国語をするヒトたちでさえ、
Yes
No
を聞き間違えることがあるとのことで、航空の世界では、
Affirm
Negative
を使うようです。
9は、ナイナーと発音してますね。
聞く世界にフォネティックコードが必要な理由でしょう。
美空ひばりの歌うジャズは、米国人にさえ外国人が歌っているとは思えないほどの完璧な発音だったそうです。
彼女は英語を理解できなかったようですが、完璧に発音できたということは完璧に聞こえていたんでしょうねェ。
名寄では、口径1.6メートルの反射望遠鏡で惑星・星団を見せてくれます。
その天文台に隣接するプラネタリウムがスゴい。
上映中は3Dメガネを掛けているのですが、スタント飛行をしている戦闘機の座席についている映像。
吐きそうになるくらいのひどい乗り物酔いを経験します。
三半規管は全く刺激を受けていないのに、視覚だけでヒトのバランス感覚を狂わせることができるのですね。
感覚とは不思議な世界です。
投稿: KON-chan | 2021年3月26日 (金) 09:29