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2021年3月 5日 (金)

『アー・ユー・ハッピー?』を読む

矢沢永吉は、1949(昭和24)年の生まれ。
彼の名で出している書は以下2冊。

 '78年(29歳)の、『成りあがり』
 '01年(52歳)の、『アー・ユー・ハッピー ?』

29歳で、自分は〝成りあが〟ったと言う度胸。
52歳で、ヒトに〝アー・ユー・ハッピー?〟と言う無遠慮。(注)

前書は、糸井重里の矢沢永吉への聞き書きスタイルの本。
後書は、矢沢永吉が一人称で語ってはいるが、ゴーストライターによるものだろう。
ライターは、多分、糸井重里か その周辺の人間。
自分を『成りあがった』と評し、ヒトに『アー・ユー・ハッピー?』と言うなんてこと、いかにうぬぼれた人間だってできるずがない。
ゴーストライターの記述とはいえ、イヤらしさ はなはだしい。

ではあるが、以下、本書にゴーストライターの筆は入ってなく、本書はすべて矢沢永吉が書いたものであるという前提で。

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こんな飯屋で読み始め。

'98年、矢沢 49歳の年。
彼は、オーストラリア ゴールドコーストに土地を求め、屋上にヘリポートを持つ26階建てのビルの建設計画をすすめていた。
本書の記述によると、その計画の目的は〝拠点〟を作るため。
彼はすでに経理、著作権、演奏会場構築、グッズ販売、外国人アーティスト招聘などの管理会社を興す実業家でもあった。
二ヶ月ごとの契約書のチェック、銀行からのレターのチェック。
しかし、彼をボスと呼ぶ社員二人にオーストラリアでの拠点建設資金から30億円を横領される。
矢沢がチェックしていたのは、偽造された契約書、偽造されたレター。
入念に計画された横領計画にまんまと引っかかる。

本書の始まりはそこから。

ロスアンゼルスに住み、そこでロックを聞きレコーディングする。
そして、自分は神様から才能を与えられている、日本のスーパースターと自認していた矢沢が、米国のロックの実力に打ちのめされる。

本夕、読了。

ロッド・スチュワート、ジョン・ボン・ジョヴィらと同じステージに立つ。
ロッドには8時間のリハーサル時間が用意されているのに、矢沢には1時間もない。
そのステージで、
Who is YAZAWA ?
から、
Oh, he is great !
に変わった声を聞く。

(注)
『アー・ユー・ハッピー?』の原稿は、実際には'91年(42歳)にできている。

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