『モチーフで読む美術史』を読む
室蘭市青少年科学館。
1963年の開設というから、古い施設だ。
玄関を入ってすぐ右が入館窓口。
窓口に正対した壁に展示されているのが、青木繁(1882年-1904年)が描いた『海の幸』の複製画。
モリを持った10人の漁師が2列縦隊になって、大きな3尾のサメを運ぶ図。
縦70センチ・横180センチ。
日焼けした漁師の中の一人だけが、真っ白な顔。
その顔だけがこちらを向いている。
この人物は、青木繁の恋人だと言われている。
こんな喫茶店で読み始め。
絵に描かれているモチーフを読み解いて、1枚の絵画全体を解釈していく。
見開き2ページに解説。
それをめくった見開き2ページにカラーで絵画。
読み解くモチーフは、ウサギ・果物・窓・矢・・・等々、66。
その内のひとつ。
モチーフは〝手紙〟。
解釈する絵は3点、いずれも17世紀のオランダの画家の作。
・フェルメール 『恋文』
・ハブリエル・メツー 『恋文』
・ディルク・ハルス 『手紙を破る女』
手紙を手にするのは女性。
読んでいる部屋の壁には、帆船の絵。(絵の中の絵)
この時代、オランダの男たちは世界に出て仕事をしていた。
船は恋人の象徴。
本夕、読了。
次も本書から。
フランソワ・ジェラール、18世紀、イタリアの画家の作 『クピドとプシュケ』。
クピド(キューピー)が少女にキスをする。
二人の上にチョウが飛んでいる。
チョウは魂の象徴。
サナギから脱皮するチョウは、復活にたとえられたという。
本著者は、『死ぬ瞬間』の著者のエリザベス・キューブラー・ロスが見たチョウのことを紹介している。
ロスが、ポーランドのユダヤ強制収容所内の壁で見た、石や爪で刻まれたおびただしいチョウの絵のこと。
そして、本著者はこう解釈する。
死を前にした収容者たちは、サナギから脱皮するチョウに自分をなぞらえ魂の永生を願った。
まさに、美術を超えた美術であるといえよう、と。
以下、私が調べた限りは、という前提付き。
ロスは強制収容所の壁の絵のことを、確かに自著に記している。
しかし、収容所の壁にチョウの絵なんかないようだ。
〝美術を超えた美術〟という、修辞が安っぽくむなしい。
コメント
室蘭市青少年科学館!
懐かしいですねぇ~
高校の時の彼女と初めてキスした場所~(^o^)
KONーchanってお幾つなのかな?
私、68ですが・・・(^_^;)
投稿: シャコ | 2021年2月 4日 (木) 21:05
シャコさん、こんにちは
ある ある ある、確かにある。
青少年科学館にはプラネタリウムとか鏡の通路とか、こっそりキスできる場所が。
鏡の通路は、ちと下品ですかね(^^;
キスかァ。
シャコさん、やるなァ。
私、シャコさんより年下ですが、それほど変わりません。
5本指以内。
給食では脱脂粉乳を飲まされた世代です。
投稿: KON-chan | 2021年2月 4日 (木) 22:02