『悩ましい国語辞典』を読む
東京都知事の言う、会食時に求める「5つの小(こ)」。
〝小一時間程度〟 こ一時間
〝小声〟 こ声
〝小皿〟 こ皿
〝小まめ〟 こまめ
もうひとつ、
〝小人数〟 こ人数
恥ずかしながら、私は、 こ人数 という言い方はおかしい しょう人数 では、と思っていた。
思い込み、知ってるつもり。
危ない、危ない。
調べてみて分かった。
こ人数 は 〝小人数〟 で東京都知事の言う通りで正しく
しょう人数 は 〝少人数〟。
こんな飯屋で読み始め。
『日本国語大辞典』は、本邦最大の国語辞典、全14巻。
本著者は、この『日本国語大辞典』などを担当した辞書編集者。
こういうヒトが書いた本を読んだ後は、書くこと話すことが怖くなる。
常用漢字表の所管は文化庁。
内閣告示の最新は2010(平成22)年。
常用漢字表によると、〝学〟の
音読みは ガク
訓読みは まな(ぶ)
では、〝学校〟はなんと読むか。
内閣告示の常用漢字表に従えば、〝ガクコウ〟であるべき。
が、これを〝ガッコウ〟と読まねばならないことを外国人留学生にどう説明したらいいのか・・・(注)
本夕、読了。
これも本書から。
〝頭蓋骨〟は、どう読む。
岩波国語辞典は〝ズガイコツ〟
同じ岩波書店の辞典なのに、広辞苑は〝トウガイコツ〟
医大も、
〝ズガイコツ〟と読ませ、〝頭痛〟は〝ズツウ〟
〝トウガイコツ〟と読ませ、〝頭痛〟は〝トウツウ〟
の2学派あるらしい。
(注)
本書によれば、
2拍(2音)の漢字で後がキ・ク・ツ・チで終わる漢字について、例えば、
的 テキ
学 ガク
圧 アツ
日 ニチ
のあとに、Kの音で始まる漢字が続くと、
的確 テキカク → テッカク
学校 ガクコウ → ガッコウ
圧巻 アツカン → アッカン
日記 ニチキ → ニッキ
と、キ・ク・ツ・チが、 〝ッ〟 になる。
そして、実際に常用漢字表に当たってみたが、これらの漢字にテッ・ガッ・アッ・ニッの読みはないことになっている。
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