『「うまい!」の科学』を読む
TVのうまいモノ紹介番組。
レポーターが必ず言う、
「あまァーい」
この〝あまい〟とは〝甘い〟なのか。
はたまた、〝うまい〟の言い換えなのか。
著者は、味の数値化を事業の柱としている企業の研究職員。
副題は、『データでわかるおいしさの真実』。
こんな喫茶店で読み始め。
初めのほうで、いくつかの質問にYES・NOで答えることで、個人の嗜好性を明らかにする。
嗜好性タイプは、苦旨タイプ・苦酸っぱタイプ・塩酸っぱタイプ・甘甘タイプ・甘旨タイプ・甘塩タイプの6つ。(注)
明治のチョコレート菓子の〝きのこの山〟と〝たけのこの里〟。
形が違っているだけでない。
〝きのこ〟の柄はクラッカー、〝たけのこ〟の稈(かん)はクッキー。
チョコレートの量も違う。
これらによって、味の違いが定量化される。
スーパードライ・一番搾り・黒ラベルの比較。
確かに、スーパードライがドライであることが定量化されたデータで示される。
コーヒー大手チェーンのスターバックス・ドトール・タリーズ。
対する100円コーヒーの、ローソンとセブンイレブン。
また、マクドナルドとモスバーガー。
データは、コンビニ・バーガー店のコーヒーが決してバカにできないレベルにあることを教えてくれる。
本夕、読了。
ペプシコーラのTV・CMにあった、飲み比べ実験。
どちらの商品かわからないようにして飲み比べると、ペプシに軍配を上げるヒトが大半。
〝ペプシのパラドックス〟という現象のあることが、本書に書かれている。
商品をわかるようにして飲み比べた時は、多くのヒトがコカ・コーラをウマいと言うらしい。
「うまい!」というのは、そういうことなのだろう。
本書の最後も、次のように締めくくられている。
そこに科学の入り込む余地はないのかもしれない。
(注)
実際の研究の場では、22にタイプ分けをしているという。
コメント
おはよーございます。
「うまい!」には、個人の嗜好が絶大な威力をもっているので、あくまで参考にするしかないだろうと思っています。
ラーメンなんか、いい例。
ビールやコーヒーも、味の違いは確かにわかるが、どれが自分にとって1番なのか、でもその1番は他の人にとっては3番でもありうるという話し。
私はコーラそのものが大した好きではないので、ペプシもコカコーラも、違いはわかるがどっちも同じ。
違いが判って、じゃあ自分はどれが好きかなーって順番をつけるのは、でも楽しいですよね。
私はシロートのバカ舌ですしねえ(笑)
きのこの山と、たけのこの里なら、やっぱりたけのこの里だなあ。
投稿: めりー | 2020年12月23日 (水) 09:38
めりーさん、こんにちは
味覚は5種と言われてきました。
酸味・塩味・苦味・甘味・うま味。
ところが最近、第6番に〝脂質味〟を指摘する論文が出ました。
その論文が出るはるか前から、東海林さだおは「肉の味は脂味で決まる」と書いていますし、オレイン酸の融点が体温以下であることを指摘して脂質の味を論じた化学研究者の文章を読んだこともあります。
データがとれていない味の世界はもっともっとありそうです。
辛みは味蕾ではなく、温度感覚・痛覚
渋みは苦味受容体も刺激はするものの触覚
ですが、食品開発の現場では、これらも味として扱っているようです。
また、髪の毛さえも異物と感じさせる舌の触感の鋭さ。
更には、ヒトは軟口蓋や喉にも味蕾があることが、本書に書かれています。
ヒトは苦味・酸味を本能的に危険と感じます。
苦味・酸味を味わうことができるのは、ある年齢以降。
胃には苦味受容体が備わっていて、苦味を感じると胃酸の分泌が増えて消化を促進させるそうです。
舌で苦味を感じ胃でも苦味を感じると胃薬の効果が増すことが報告されているンだとか。
(胃薬をオブラートに包んで服用すると薬効が減じる)
この本にも「うまい!」とはどういうことなのかは書かれていません。
めりーさんのおっしゃる通り、個人の嗜好。
雰囲気もある。
めりーさんと食卓に向かい合っていたら、私、握りこぶし大の練りワサビでも食べられるような気がします。
アハ(^^;
たけのこの里はきのこの山より甘味はやや弱いですが、ミルク感が強くくちどけがいいようです。
たけのこの里をお好みとは、プリン食いのめりーさんらしいと言えるのかも。
投稿: KON-chan | 2020年12月23日 (水) 11:02