『手塚治虫の山』を読む
ヒトの死からの年月の経過は早い。
近代マンガの全ては、手塚治虫から始まる。
その手塚の死は、1989(平成元)年。
すでに30年が過ぎた。
こんな飯屋で読み始め。
本書は、山を舞台にした手塚マンガ10作を集めたもの。
・魔の山
・山楝蛇(やまかがし)
・山の彼方の空紅く
・モモンガのムサ
・ブラック・ジャック ー昭和新山ー
・雪野郎
・落盤
・山太郎かえる
・火の山
帯に、
手塚治虫が生涯
発信し続けた
「生きる」ことの尊さ。
とある。
マンガのテーマ、マンガ家のヒューマニズムはチープで薄っぺらい、と言うヒトは多い。
しかし、マンガにとどまらず、重いテーマ、厚い・熱いヒューマニズムを表現した、感じさせる創作に私たちは一度でも触れたことがあろうか。
初出媒体は、サンデー・ジャンプ・チャンピオン・ビッグゴールド。
いずれも、エンターテインメント誌。
発表の場が、エンターテインメント誌なのはマンガの宿命。
手塚治虫は、しかし、エンターテインメントとは考えていなかったようだ。
本夕、読了。
手塚治虫、享年60。
天才の宿命。
長寿は与えられていない。
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