『現代マンガ選集』を読む
19人の19編。
その19編が、
・事件の始まり
・アンモラル
・エロスと生と死と
・ことの結末
の4つの章に分けられる。
編まれている最も古い現代マンガは、
1959年、白土三平の『死刑執行』
編まれている最も新しい現代マンガは、
2015年、斎藤潤一郎『イン・ザ・クソスープ(死都調布)』
白土マンガは貸本。
斎藤マンガはweb掲載。
副題が、〝悪の愉(たの)しみ〟
こんな喫茶店で読み始め。
筑摩書房の創業は1940年。
その社業80年を記念して、『現代マンガ選集』として全8巻を今年5月から毎月1巻ずつ刊行中。
本書は今月刊行の6巻目。
「ただのマンガ本じゃないぞゥ」ってな気分なのか。
各マンガ一編一編に編者による10行ほどの解説というか前振りというか、えらくチカラの入った文章が付く。
例えば、山岸凉子の『グール』には、
・・・抑圧された自意識を開放する女性作家の
「自己表現」となって結実する。
そうした流れからもはるかに自由で孤高の・・
人倫や規範の外に存在する根源的な恐怖を描く
ことで、人の心の不分明さを照らし出す。
本夕、読了。
で、同じ編者による解説が、最後に7ページ。
・・・登場人物の不安や焦燥、怒気、諦念といった
暗い感情を、構図の工夫とともにいかに情感の立ち
上がるような日常生活に塗り込めるか・・・
編者、考えたンだろうと思う。
私が言ってはナンだが・・・
言わぬが花かと。
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