『北の分水嶺を歩く』を読む
コースタイムとは、
・標準的体力
・日帰り装備
・休憩時間を含まない
実登山時間のこと。
『山と高原地図(昭文社刊)』やガイドブックには、コースタイムの参考値が示されている。(注1)
本著者は小樽在住。
仕事帰り、週に何度も小樽市郊外の塩屋丸山(629メートル)にトレーニング登山する様子が書かれている。
『北海道夏山ガイド1(北海道新聞社刊)』に書かれている塩屋丸山のコースタイムは、1時間40分。
著者はそれを駆け足で登る。
24分。(注2)
大学の山岳部や社会人山岳会に所属して正統な登山技術を学んだヒトで、強い心肺の持ち主。
こんな喫茶店で読み始め。
県境、市町村境など行政の境界は、尾根によることが多い。
北海道の支庁(振興局)の境界も尾根(分水嶺)。
著名の『北の分水嶺』とは、北海道を東西に分ける宗谷岬から襟裳岬に走る山並みの峰のこと。
それを歩いた記録。
水平距離で670キロ。
10年、日数で100日。
停滞を含めた総延べ日数は130日。
気候の厳しさからくる装備重量の増加。
また、雪崩、雪庇の踏み抜きに気を配らなければならない。
しかし、夏のヤブ山より、ヤブが雪で埋まる季節のほうがルートの自由度は大きい。
例えば、西室蘭岳、後旭岳などは主峰からごく近く、かつ なだらかだが、夏はヤブがひどく、そのピークに至るのは困難。
これが、積雪期だと晴れてさえいれば口笛ルートとなる。
著者の山歩きも積雪期が多い。
地図を手元に置いて読むべき本だろう。
私がピークを踏んだ山も話題に出てくる。
上ホロカメットク山・十勝岳・旭岳・白雲岳・トムラウシ山等々。
本夕、読了。
日高山脈縦走は二人パーティ。
残余はソロ。
ザック重量は40キロ。
この負荷に耐えられず、半分を担ぎ上げ、戻って残り半分を担ぎ上げるダブルボッカ(2回歩荷)で高度を稼いでゆく。
〝存在の証を求めて〟という章がある。
山を歩くことで、自分を見付けるくらいの意味合い。
岳人もそうだが、釣師もンなことを言う。
ちと赤面(^^;
shinyaさんから頂いた本。
(注1)
表大雪山系やニセコ山系なら、私の脚でもコースタイムを切って歩けるが、羊蹄山だと もうコースタイムをキープできなくなった(^^;
(注2)
私も、一昨年、塩屋丸山の山頂を踏んでいる。
その時のGPSログが残っている。
最も遅いヒトに合わせての山行歩速だから、ゆったり登山。
で、1時間20分。
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