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2020年9月19日 (土)

『釣りの名著50冊』を読む

作家、芸能人、作曲家、政治家等、50人が書いた50冊の〝釣り〟に関わる本が紹介される。
いわゆる〝本の本〟。
シケが続いている秋の日に、釣り師(のつもり)が読むのにふさわしい本だろう。

最終ページに書かれた著者の言葉は、以下の三行。

人生の喜怒哀楽は時に1本のサオにも及ばない。
釣り人が味わう一投一打の悲喜劇は、それほど激しく強烈であると、私は思う。

Photo_20200916093301
こんな飯屋で読み始め。

『古今東西の「水辺の哲学」を読み解く』が副題。
最終ページの著者の言葉も大ゲサだが、副題も何ともハァーいい気なもん、と言うか・・・
まァ、しかし、釣り師とは、そんな言葉を吐く人種だ。

アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』
アイザック・ウォルトンの『釣魚大全』
といった著名本もあれば、
桂歌丸の『岩魚の休日~ちょっとうるさい釣り行脚』
児玉誉士夫の『生ぐさ太公望』
なんてのも。

50冊には、
生活のための釣り
もあれば、
遊びのための釣り
もある。
無釣果で帰りヤケ酒をあおる釣り
もあれば、
戦災から逃れての疎開先で空腹を満たす釣り
もある。
家庭を壊す釣り
もあれば、
家庭を作る釣り
もある。

釣りの話。
相手はサカナだから、いずれにしてもそれほどドラマチックな話はない。

1本のサオにも及ばない人生の喜怒哀楽が、あろうはずがない。
水辺に哲学なんぞ、あろうはずがない。

ンなこと、釣り師は百も承知。
百も承知だが、
人生の喜怒哀楽を超える魚信得るため
水中に哲学を求め
釣り師は、竿を抱えて釣り場に向かう・・・

本夕、読了。

田中角栄逮捕時の法務大臣は、稲葉修。
その彼の著書『アユ釣り・海釣り』が紹介されている。

山形県の小河川でアユの友釣りに興じていた彼に、法務省刑事局長から緊急電が入る。
「今日中に、検察が田中角栄の逮捕状を裁判所に請求する。ついては、そのご許可を」
彼はその求めに許可を与え、そのことを閣僚にも党幹部にも伝えず、再び川に入ってアユ釣りを始める。
入れ掛かり。
同行5人で200尾掛けたと。

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