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2020年7月16日 (木)

『トムラウシ山遭難はなぜ起きたか』を読む

トムラウシ山(トムラウシやま)は、大雪山系中の山(2141メートル)。
トムラウシ山遭難とは、2009年7月16日に起きた事故。
(読み始めてから気付いたのだが、今日が12回忌に当たる)

パーティの構成は、
 男性ガイド3名
 男性ツアー登山者5名
 女性ツアー登山者10名
内、
 男性ガイド1名
 男性ツアー登山者1名
 女性ツアー登山者6名
が、低体温症(疲労凍死)を死因として遭難死したもの。

Photo_20200716202801
こんな喫茶店で読み始め。

雨。
そして強風の中の登山。
当日の最低気温は3℃以下。(注)
西風は20メートル以上だったものと推定されている。

遭難のあらましを、フリーライターが
当日の現地の気象の推測を、気象学者が
低体温症についてを、医師が
登山の運動生理学を、生理学者が
それぞれ1章を受け持って執筆している。

いずれも、当該分野の専門家で、かつ登山経験豊かなヒトたち。

出発しない、あるいは引き返すという判断をする機会はあった。
しかし、ガイドはそれをしなかった。
と、非難するのは簡単。

死者の中には、ザックの中に防寒着を残したままの者がいる。
なぜ、着なかった。
と、非難するのは簡単。

しかし、本書執筆者らはそれをしない。

本夕、読了。

副題は『低体温症事故の教訓』。
同じ環境下にいながら、分かれる生と死。
そうなった事実が調べられ、そこから引き出される教訓が書かれている。

山を歩く者は知っている。
判断が必要になった時点で、ほとんどの場合は手遅れなのを。

山を歩く者は知っている。
降雨(降雪)、強風の中でザックをおろし、雨着の下に防寒着を着ることの困難さを。

本書執筆者らが〝指摘〟はしても〝非難〟しない理由だ。

(注)
ところで、トムラウシ山よりやや北の、ほぼ同じ標高域の大雪山系を私も歩いている。
私が歩いたのは、すでに晩秋期の山で
'16年9月18日には降雪
'17年9月17日には霜、氷
を見ている。
大雪山系に、四季はない。
あるのは、春・秋・冬の三季。

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コメント

私は山を歩かないので、どんな状況で判断が必要になるのか、必要になる前に備えるタイミングがいつなのか、見当もつきません。

海でも同じでしょうか。

自分で船を操るようになってから、風や波を気にするようになりました。
遊漁船の安全は船長が保証してくれるもの(と思っていた)
室蘭の海にも相当数、乗せてもらっていたのに、風や波は全く無知でした。

判断って難しいですね。
その場にいない、知りもしない外部の人に、非難される筋合いは無いと思います。海に関しても。

北海道の夏は短い。
四季ではなく、三季+夏休み、程度でしょうか。
短い夏、KON-chanが満喫しているようで何よりです。

投稿: めりー | 2020年7月17日 (金) 11:42

めりーさん、こんにちは

山も海も同じですね。
どちらも優しくて美しくて、厳しくて恐ろしくて。

山の気象は、下界より低温で強風なのが常態。
雲がまとわりついて視界は閉ざされるし、雨は降るし、雪は降るし。
それでも歩かなくては帰れないし。
でも、私にはそんな環境に身を置いて、そこまであそこまでと足を動かす時間がどうしても必要です。
てなことは口先だけの言葉。
ホントのところは理屈も何もないンです(^^;

山での判断は、進むか停滞するか下りるか。
いくつもないのに、これができないンですよねェ。

近々、山で寝ようかと思っています。

ところで、画像の喫茶店は石屋製菓が関係しています。
明日は、ラング・ド・シャのお菓子をいただきに伺います。
沖でお会いしましょう。

投稿: KON-chan | 2020年7月17日 (金) 17:20

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