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2020年4月 6日 (月)

『実録 女の性犯罪事件簿』を読む

あるオンナ。
と、いうことにしておこう。

あるオンナが、私に言った。
「オトコのヒトって、自分の好みにオンナを作り上げたいンでしょ」

真夏の昼下がり。
高いところで燃えている太陽が、二人の影を短く濃く映す舗道を歩いているときだった。

暑い。
体中の汗腺から吹き出す汗。
手のひらにも。
その汗の感触からのがれるため、私はオンナの左手の人差し指と中指だけを握って歩いていた。
「そんなんじゃイヤ。 もっとしっかり握って」

あるオンナ、24歳。
私、27歳。
その日のその時の燃える太陽のように、二人は若かった。

あの時、君は幸せだったか・・・
あの時、私は幸せだったか・・・

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こんな飯屋で読み始め。

著者は週刊誌記者。
新聞ダネとなったオンナの事件を、聞き込み、裁判記録の読み込みをして追う。
 ・トイレで赤ん坊を産み捨てた人妻
 ・幸せになった元カレが許せない
 ・恋敵のクラブホステスをメッタ刺し
 ・ホストに貢ぐためコンピュータ端末の不正操作
 ・高齢者の虎の子を狙う美熟女詐欺師
等々、43件。

全て、オトコのせいだ。
オトコがオンナを不幸にする。
オトコがオンナを犯罪者にする。

本夕、読了。

一度も車検まで乗ったことがない。
どころか、そのクルマを一度も自分のカネで買ったことがないというオトコを知っている。
そのオトコが言う。
「ホレさせろ。 ホレさせさえすれば、あとは殴っても蹴ってもオンナは付いてくる」
そして言う。
「ナマハンカなことではホレさせられない。 全力。 こっちも本気でホレるンだ」

「そんなんじゃイヤ。 もっとしっかり握って」
なんて、言ってはいけない。
「私は私。 アナタの思うようなオンナにはならない」
オンナは、そうオトコに言うべきだ。

それが言えれば、オンナは犯罪者にはならない。
しかし、オンナはそれが言えない・・・

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コメント

で、その女は嫁さん?

投稿: 夫婦釣り | 2020年4月 8日 (水) 20:10

あるオンナは、私じゃないオトコの妻。

恥ずかしながら、我が妻、同級生(^^;

投稿: KON-chan | 2020年4月 8日 (水) 20:45

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