『イーハトーブ釣り倶楽部』を読む
著者は岩手県一関(いちのせき)市在住の作家。
で、フライフィッシャー。
岩手のあの川この川を釣り歩く。
ソロで。
釣友とで。
こんな飯屋で読み始め。
〝木漏れ日が雨のように〟とか、〝カワガラスが鋭く啼く〟とか〝午後になると決まって上流から下流に風が吹いてくる〟とか、そんなふうに表現される川に立ち込んで毛鈎を流す。
イワナが掛かる。
ヤマメが掛かる。
イトを切られる。
同じポイントで2度もイトを切られる。
やっと1尾の日もあれば、入れ食いの1時間もある。
〝渓相〟という言葉がある。
フライフィッシャーの著者は、言葉だけで〝渓相〟を見せてくれる。
本夕、読了。
著者の生まれは瀬棚町。
しかし、物心がつく前に北海道を離れ岩手に転居。
以降一度も北海道の地を踏むことなく過ごすのだが、瀬棚を離れた理由を両親は話したがらなかったという。
岩手の川で著者に釣りを教えたのは父親。
瀬棚の川で、父がもう一度竿を出したがっていた。
が、それは叶わぬこと。
すでに老いての臨終の床の父親。
父親の逝去後18年を経て、著者は瀬棚を訪れ、その瀬棚の川で竿を振る。
ヤマメが竿を曲げる。
アメマスが竿を曲げる。
そして、その川の瀬に、フィルムケースに入れて岩手から持ってきた二片の父親の遺骨を流す。
フライフィッシャーらしい供養だ。
コメント
その、表現が好き。
たぶん読んだことのない作家さんだと思いますが、機会があったら読んでみようかなーって思いました。
投稿: めりー | 2020年4月16日 (木) 08:19
こんにちは。
渓流釣りも、水の音と風の音と鳥達のさえずりの中での釣りは至高の時間。
しかし、
蛇が嫌いなので二度と行きません。
私は海が良い。
投稿: きーさん | 2020年4月16日 (木) 14:37
めりーさん、こんにちは
光を得る技術、光を見せる技術。
めりーさんのお書きになる言葉、何だか胸に染み入ります。
テクニカルタームなのですが。
MRもそんなワザを駆使されてイメージングされているのでしょうねェ。
〝スゲェー〟なんて軽い言葉で反応してはいけない世界を見ているように思います。
ところで、このヒトの本、私も今回初めて読みました。
名前も知りませんでした。
釣り雑誌などにエッセーを書いているヒトなんだと思います。
フライフィッシャーというのは、アブラビレのあるサカナしか釣りの対象にしません。
主たるフィールドは川と湖。
毛鈎を30フィート先に落とすにも結構なスキルを求められますし、毛鈎も自分で巻かなくてはなりません。
なので、フライをやるヒトの釣りへのこだわりは他の釣法の釣師より強いものがあるように思います。
若い頃のほんの一時期、私、フライフィッシャーだったことがあります。
山はただただ歩くだけになった私ですが、ニセコや大雪の山を歩く時にはパックロッドとフライ(毛鈎)ボックスを持って歩いていました。
もっとも、スノッブの極みだと言って、フライフィッシャーの書く文章を嫌うヒトも多いです。
たまった本は結局ブックオフ行きです。
ということで、本書はめりーさんに差し上げます。
貴艇のキャビンの中に入れておきます。
沖でお会いした時、「もらったよォー」と、手でも振って下さい(^^)
投稿: KON-chan | 2020年4月16日 (木) 16:53
きーさん、こんにちは
河畔林が迫っている川も、巨岩壁の川も、いいですね。
おっしゃる通り、水の音も風の音も鳥のさえずりも。
ただ、北海道の山岳渓流は、ヒグマとの遭遇の恐れがあって、それが気持ちが悪いです。
まァ、山歩きも同じですが。
山はでも、森林限界より上ならバッタリということはありませんが、渓流は見通しのきかない曲がった流れがありますから。
水のない山、例えば羊蹄山には川がないのでクマはいません。
逆に、渓流釣りは水そのものですからねェ。
ヘビは私も嫌い。
日向ボッコしてるンですよねェ。
中国出張では、私、ヘビのから揚げを食べてます(^^;
かぶせていた歯がイカレました。
で、今日は早引き、歯医者でした。
投稿: KON-chan | 2020年4月16日 (木) 16:55
あらら、ありがとうございます。
本も一期一会。探しても見つからないこともあり、通りすがりに出会うこともあり。
KON-chanから譲っていただけたなら、それもひとつの縁ですねえ。
読ませていただきます〜。
フライは、釣りの中でも特別難しい分野じゃないかと思っています。
私はやったこともありませんが、普段から何も考えない釣りしかしないので、とても無理です。
釣り雑誌も全く読みません。不勉強にもほどがありますね(笑)
あまり、人のやる釣りに興味が無いのだろうと思います。
あ、ヘビはキライじゃないですー。
どうして道路の真ん中で日なたぼっこするんでしょうねえ、めんこいやつ。
単車で踏んじゃったことが何回もあります。
投稿: めりー | 2020年4月16日 (木) 18:26
単車と同じ。
教えてくれる人がいないと、難しいですね。
私は黒松内町主催の1泊2日のフライフィッシング塾に2年続けて参加しました。
いやァ、めりーさん。
あなた、考えています。
考えるヒトです。
私も、これで私なりに考えているンですよ。
何でも自己流、せいぜい聞きかじり程度の知識しかベースにないので、うまいこといかないことが多いのですが(^^;
それでも、面白いンだなァ(^^)
ヘビ、大丈夫ですか。
めりーさん、やっぱり、スゲェー(^^)
投稿: KON-chan | 2020年4月16日 (木) 20:40