『逃亡日記』を読む
吾妻ひでお のマンガ家デビューは19歳。
デビューから20年、39歳の'89年から'90年にかけての真冬の4ヶ月。
彼は失踪、ホームレス生活を送る。
その2年後の春から夏。
二度目の失踪。
再び、ホームレス生活を送る。
この時は、ガス配管工として日給1万円の職に就いたりもしている。
1回目の失踪原因は、マンガ原稿を締め切りに間に合わせられなかったから。
2回目の失踪原因は、本書の内容だけではよく分からない。
編集者に原稿を渡してすぐ。
これら失踪生活から10年以上過ぎて、吾妻ひでおはマンガ『失踪日記』を発表。
その『失踪日記』はマンガ界の三大賞、すなわち、
手塚治虫文化賞大賞
文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞
日本漫画家協会賞大賞
を受賞している。
(前二者受賞マンガに『バガボンド(井上雄彦)』があるが、三賞受賞マンガは『失踪日誌』のみ。)
こんな喫茶店で読み始め。
本書は、『失踪日記』の文章版。
マンガ『失踪日記』には多少の脚色が入っているようだが、本書『逃亡日記』は編集者の問いに吾妻ひでおが答えるというスタイル。
問われていないことに付加して答えることもないが、問われたことに答えないということもない。
淡々と話が続く。
本夕、読了。
失踪時の彼は躁うつ病でアルコール依存症。
酒を飲みだしたのは30を過ぎてからだという。
躁うつ病の結果がアルコール依存症なのか、
アルコール依存症の結果が躁うつ病なのか、
因果関係は分からない。
あるいは、このヒトの場合、躁うつ病とアルコール依存症の間に何の関係もないのかもしれない。
断酒会入会、精神病院入院で、アルコール依存症を克服。
ピーク時には事務所を構えアシスタントを使って月に120ページのマンガを描いていたというが、今は日に半ページ。
彼は言う、
「つらくなると逃げてしまう」
「覚えていない」
「あと先考えない」
それが、過去についても現在についても・・・
吾妻ひでお。
逝去は、先月13日。
享年69。
私もそうだ。
逃げる
覚えていない
あと先考えない(^^;
コメント
逃げる
忘れる
生きて行くには必要な技術です。それができない人は苦しいでしょう。
あと先考えないのは、
KON-chanらしくていいと思いますわー。
投稿: めりー | 2019年11月13日 (水) 12:24
めりーさん、こんにちは
私、ナヨナヨしてますが、仕事でも遊びでも、手先を使ってとかマニュアルを読んでとかあれこれ考えてとかみたいのはダメ。
ただただ体を動かして、それもハーヒーハーヒ―となるほど動かして、やっと納得できるガテン系。
ハーヒーハーヒ―しているときは、頭は ほぼカラッポ。
頭に浮かぶのは、せいぜい、
「水を飲みてェなァ」
とか、
「太陽がまぶしいなァ」
とか。
そういう時間を持てない日もあって、そんな日の夜は、最寄り駅まで往復6km弱、ランニング。
週に2回か3回、そんな夜があります。
私のように走っているヒトと、すれ違ったりとか追い抜かれたりとかが必ずあります。
夜、そろそろ寝る頃になって走り出すのは、体をクタクタにしなければ頭をカラッポにできない不器用なヒトたちですね。
24時間ジムが繁盛している理由が分かります。
頭の中をパンパンにして、それでも頑張っているヒトっています。
苦しいでしょうね。
私はホント楽な生き方をしています。
あと先考えず、成り行き任せ。
なので、ズッコケることが多いです。
まァ、それがKON-chan流ってことで(^o^)
投稿: KON-chan | 2019年11月13日 (水) 17:04