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2019年10月18日 (金)

『K-POP 新感覚のメディア』を読む

韓国の空港ビル内に自動小銃を持って仁王立ちで監視業務についている警官は、とてもカッコいい。
今風に表現すれば、クール。

彼らは間違いなく、6ツに割れた腹筋と厚さ10センチの大胸筋を持っている。
そのガタイを維持するのに、1日に4時間は汗を流し、1日に5000キロカロリーの熱量を摂取しているはずだ。

そんな素晴らしい体に、黒い戦闘服、ベレー帽。

それよりも何よりも、あの警備警官らをクールに見せているのはサングラス。
レンズの濃い黒色は、見ている方向を悟られないための配慮。
フレームは初代ターミネータータイプ。
あのレンズの内側で眼球だけを動かして監視業務に立っている。
外眼筋も鍛えに鍛えられている。

著者は韓国人。(注)

Kpop
こんな飯屋で読み始め。

音楽コンテンツへの消費額の最大国は米国。
次が日本。
日本の音楽コンテンツへの消費額は、EU諸国全部を足し合わせたよりも多い。

K-POPは、そのスタートこそポピュラー音楽の2大消費国の米国と日本の模倣で、向けていたのは韓国々内。
が、時を置かずに韓国々内の音楽市場から飛び出していく。
グローバル化。

'01年のiTunes。
'05年のYouTube。
音楽は所有・保存(ダウンロード)するものから、共有・アクセス(ストリーミング)するものへと変化し、音とパフォーマンスを世に示すハードルは大きく下がった。
一方で、それを評価する耳と目は、時には〝億〟を単位とする数となった。
K-POPは、そこに乗り出す。
そのため、K-POPスターは、そのデビューまでに、語学も含め3年から6年のトレーニング時間を使って質を高めるという。
K-POPスターの歌唱力・パフォーマンスのキレ・高い語学力のクールさは、あの空港の警官のクールさと通じる鍛錬の成果を感じさせる。

本夕、読了。

ポピュラー音楽界のエポックメーカーを2人(組)だけ選ぶとしたら、ビートルズとマイケル・ジャクソンだろう。
3人(組)選ぶとなると、K-POPが加わるものと私は思う。
ただし、このK-POP、1人(組)に絞り切れない。

データは豊富で、書かれている社会背景・歴史も緻密。
しかし、本書に書かれているのは あまりに〝現在〟過ぎる。
そのせいもあって、スムーズに文字を追っていけるような読み易い本ではない。

が、あと20年。
あと20年、その頃、本書はK-POP解説の古典書となっているに違いない。

たった今、米国、日本、英国、フランス及びその周辺国、ブラジルでK-POPは高く評価されている。

韓国々内でヒットしなかったK-POPで、韓国々外でヒットしたものはないと著者は書く。
今の韓国人のポピュラー音楽に関する感性が、それだ。

オックスフォード英語辞典に〝J-POP〟という単語は採録されていない。
〝K-POP〟は'12年に採録されたという。

(注)
韓国の大学で修士号、日本に留学して博士号を取得。
現在は日本の大学で『観光文化論』を教える。
ところで、『観光文化論』って何なのか。
私は知らない(^^;

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