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2019年10月13日 (日)

『ケーキの切れない非行少年たち』を読む

紙に書かれた円を丸型のケーキに見立てる。

著者は、医療少年院勤務経験のある児童精神科医で臨床心理士。

少年院に収容され矯正教育を受けている少年らに、ケーキ(円)を等分する線を書かせる。
2等分線は書ける。
4等分線も書ける。
しかし、3等分線となると書けない者がいることを著者は知る。

Photo_20191011205801
こんな喫茶店で読み始め。

3等分線なら、ベンツのロゴマークのようになるはず。
が、本書の帯に書かれているような分割線を書く。

非行少年に共通するのは、
・認知機能、つまり見たり聞いたり想像する力が弱い
ケーキを3等分できない理由は、これ。

共通することは ほかに、
・感情のコントロールが苦手で、すぐにキレる
・融通が利かず、行動が思い付きで予想外のことに弱い
・自己評価が不適切で、自分の問題点が分からない
 よって、自信があり過ぎたり、逆になさ過ぎたり
・人とのコミュニケーションが苦手
と、知能が低いことからくること。
さらには、
・身体の使い方が不器用で、力加減ができない

で、どうするのか。
小中学校教師、法務教官(少年院等で矯正教育に携わる)は、
・子供のいいところを見つけてほめる
・話を聞いてあげる
・自尊感情を高める
と言う。

本夕、読了。

著者は言う。
ほめたり、話を聞いてあげたところで、それはその場をとりつくろうだけに過ぎないのではないか。
問題を先送りするだけではないのか。
自尊感情を高めると言うが、そんなことを言う教師らがそもそも自尊感情を持っているのか。
自信を持たせることが できるのか。

相手は、
・簡単な足し算、引き算もできない
・簡単な図形さえ写せない
・短い文章でさえも復唱できない
そんな少年たち。

本書に、非行少年らの頭の中の分析法は書かれている。
しかし、その先、どうするのかの記述は乏しい。
救いのない現実がある。

救いのない現実。
オイラもそうだ(^^;

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コメント

救いのない現実、私もだ。

投稿: 夫婦釣り | 2019年10月14日 (月) 17:43

夫婦釣りさん、こんにちは

努力は裏切らない
汗は裏切らない
お天道さんが見ている
希望は成功への信仰だ

なんて言葉は、全てウソ。
何をどうやってもウマくいかないことのほうが、ウマくいくことの1000倍は多いです。

今日の現実。
イカはいなかった、と。

投稿: KON-chan | 2019年10月14日 (月) 18:21

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