『仏壇におはぎ』を読む
写真家 武田花(たけだ はな)の著作。
帯にはフォト・エッセイと書かれているが、掲載されている写真は少ない。
また、エッセイの内容と写真は直結しない。
仏壇の話もおはぎの話も出てくるが、仏壇の写真もおはぎの写真もない。
こんな飯屋で読み始め。
写真は全てモノクローム。
被写体にヒトの生活が感じられるが、ヒトは写っていない。
その写っていないヒトは、皆 若くない。
ネコが写っているショットが多いが、動きは緩慢。
本夕、読了。
写真はカラー撮影したものをモノクロに落としたのではなく、撮影自体がモノクロのようだ。
著者53歳の時に出された本だが、文章も写真も年齢を倍にしたほどに枯れて寂しい。
文章にも写真にも、未来も希望も感じられない。
かといって、投げやりでも絶望でもない。
あるがまま。
著者は、そういう眼と感性を持っているヒト。
写真と文章で食っているヒト。
プロの眼と感性だ。
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