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2019年9月21日 (土)

『どくとるマンボウ追想記』を読む

北杜夫の『どくとるマンボウ』シリーズ中の一冊。

彼の『夜と霧の隅で(芥川賞受賞作)』は読んでいないが、
 ・漁業調査船に船医として乗り込んだ経験に基づく『どくとるマンボウ航海記』
 ・旧制高校での自身の学園生活を描いた『どくとるマンボウ青春記』
 ・カラコルム山脈のディラン山登山隊に山岳医として随行した経験を小説化した『白きたおやかな峰』
は、随分以前に読んだ。
本書を手にしたのは、その〝随分以前〟が ふと頭をよぎったから。

秋風のせいだ・・・

Photo_20190921185601
こんな喫茶店で読み始め。

小学館の新レーベル P+D BOOKSの一冊。
このレーベル、〝後世に受け継がれるべき名作でありながら、現在入手困難となっている作品を・・・〟が、うたい文句。
しかし、私ごときが言うのは僭越至極・生意気が過ぎるが、本書、冒頭にあげた わずかしか読んでいない彼の他の作品に比べて、内容も表現もレベルが低い。
彼の著作でなく、私が今まで読んできたものと比べても、低レベル。
本書、〝後世に受け継がれるべき名作〟ではないだろう(と思う)。

誕生から旧制高校入学までの彼の自伝。
1927(昭和2)年生まれだから、勤労動員、焼夷弾で家を焼かれといった不愉快なエピソードも多く書かれているが、斎藤茂吉を父に持ち、婆や・運転手の世話を受けるオボッチャンで秀才の話。

本夕、読了。

懸垂を3回しかできなかった軟弱児だったとか、旧制高校では数学や物理がダメだったとか書く。
が、懸垂は3回だけだったが、殴り合いのケンカには強く、野球もうまかったようだ。
数学と物理はダメだったというが、これは大いなる謙遜、学業全般は優等。

私の若い頃、北杜夫の人気は高かった。
その若い頃なら、本書を面白く読めたのかもしれない。

今の年齢の私は、再び言う。
私ごときが言うのは僭越至極・生意気が過ぎるが、本書、内容も表現もレベルが低い。

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