『週刊誌風雲録』を読む
創刊が1895(明治28)年、現在も発行を続けている『週刊東洋経済』は別格。
『週刊朝日』と『サンデー毎日』の創刊は戦前。
1922(大正11)年。
発行部数が大きく伸びたのは戦後10年ほどしてからで、『週刊朝日』にいたっては150万部発行した週さえある。
今現在、この2誌の毎週の発行数は、20万部いかない。
こんな飯屋で読み始め。
著者は、『女性自身』・『宝石』の編集経験があり雑誌出版業界に詳しいヒト。
『週刊朝日』・『サンデー毎日』の発行母体は新聞社。
雑誌編集を知らない新聞社々員が週刊誌購読者を大きく伸ばす過程には、
・戦略(本の構成・取材網・販売網の構築)
・それを考え出すリーダー(編集責任者)
・複数の取材ネタから1本の記事に仕上げるライター
の知的な活動があった。
ただし、リーダーの使う言葉は乱暴、記事ネタ取材は強引、記事の原稿書きは徹夜。
そんなことを問題としない時代。
アタマの働きが良くフットワークのいい編集員・記者・ライターがいたからこその成功。
その後、新潮社(週刊新潮)、徳間書店(週刊アサヒ芸能)、集英社(週刊明星)など出版社を母体とする週刊誌が次々と発行される。
本の作り方は同じ。
・戦略
・リーダー
・ライター
ジャーナリズムを語る何だか面倒くさいライターがいる。
使いにくいライターなのだが、そんなライターに限って筆が立ち記事を仕立てるのが早い。
ジャーナリズムを言う前にカネ勘定を考えねばならないのが経営者だが、ジャーナリストとしてのプライドはある。
どちらの立場も満足できる週刊誌隆盛の時代があった。
本夕、読了。
『週刊文春』と『週刊新潮』は同じ年の創刊で、1959(昭和34)年。
今の週刊誌発行部数の1位・2位はこの2誌で、40から60万部。
『週刊朝日』と『サンデー毎日』は新聞社系。
ジャーナリズムの王道を歩む雰囲気を感じる。
『週刊文春』と『週刊新潮』は出版社系。
ヤンチャ。
行儀がいいとは言えない。
しかし、読者自体も行儀がいいわけではない。
多くのヒトの興味は、
・著名人のゴシップ
・成功者の失敗
・皇室
・猟奇事件
・ファッション
『週刊文春』・『週刊新潮』がワン・ツゥーなのも分かる。
釣り師にとっては、週刊誌レベルの速度の情報はそれほどありがたくない。
もっと早く。
海に浮かんでいる その時に、「こっちで釣れてるぞォ」
が、私の受ける情報のたいていは、「さっきまでは食いが立ってたンだけどォ・・・」(^^;
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